アスレチックス・メルビン監督 「告発者」の先発右腕を擁護

アストロズの不正なサイン盗みについてメジャーリーグ機構による調査が行われるようになったのは、2017年にアストロズでプレイしていたマイク・ファイアーズ(アスレチックス)による「告発」がきっかけだった。「クラブハウスで起きた出来事を外に持ち出さない」というクラブハウスの「掟(おきて)」を破ったとして元同僚から批判を受ける場面も見受けられるファイアーズだが、アスレチックスのボブ・メルビン監督は「(野球という)ゲームは彼のおかげで良い方向へ向かっている」とファイアーズを擁護した。

メルビンはメディア対応のなかで「私は我々が今、この立場に居られることを嬉しく思っている。マイクはそのことに大きく関わっているんだ。彼のおかげでゲームは良い方向に向かっているし、これからも良い方向に向かい続けるだろう」とコメント。「平等にプレイしていると思われていたものが、実はそうではなかった。メジャーリーグ機構は前進するために正しい対応としたと思っている」とメジャーリーグ機構のこれまでの一連の対応に一定の評価を与えた。

また、ファイアーズについては「彼の名前はこれまでと少し違った形で見られることになるだろう。でも、時間が経てば、彼のおかげでゲームが良くなったということに、より多くの人々が気付くと思うよ」とコメント。「告発者」として批判を受けることもあるファイアーズだが、メルビンはその勇気を称え、擁護するスタンスを貫いている。

メジャーリーグでは、日本時間2月13日に17球団がバッテリー組のキャンプインを迎え、サイン盗み問題に関する選手たちのコメントが至るところで報じられるようになっている。大谷翔平が所属するエンゼルスでは、アンドリュー・ヒーニーら複数の選手がアストロズの不正を批判する声を上げた。ファイアーズの勇気ある「告発」をきっかけに大きく動き始めたメジャーリーグ。不正を働いた者に適切な処分が下され、「クリーン」な状態で2020年シーズンの開幕を迎えられることを祈るばかりである。

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