伊上院、サルヴィーニ前内相の不訴追特権はく奪 移民政策めぐり裁判へ

©BBCグローバルニュースジャパン株式会社

イタリア元老院(上院)は12日、マッテオ・サルヴィーニ前内相の不訴追特権をはく奪することを152対76の賛成多数で可決した。

サルヴィーニ氏をめぐっては昨年8月、船でイタリアにたどり着いた移民を不法に海上に留め置いたとして、検察が裁判を求めていた。

イタリアでは、閣僚時代の行いについて議員に不訴追特権がある。しかしイタリア議会の委員会は1月に、サルヴィーニ氏の特権はく奪を決定。元老院に最終判断が委ねられていた。

この裁判で有罪となれば、サルヴィーニ氏は最長で禁固15年を言い渡される可能性がある。

6日間にわたり海上に足止め

サルヴィーニ氏は、反移民の右翼政党「同盟」の党首。「同盟」は昨年8月までポピュリスト政党「五つ星運動」と連立政権を組んでいた。

イタリアの海上警備船「グレゴレッティ」は昨年7月25日、地中海でリビアからイタリアに向かっていた移民140人を救出した。

しかし当時内相だったサルヴィーニ氏は、手当てが必要な人以外の下船を拒否し、欧州連合(EU)各国に移民を請け負うよう要求。116人が6日間にわたって海上に足止めされた。

この判断は国内外で大きな批判を浴びた。また、船内にトイレが1つしかないことが判明すると、検察が捜査に乗り出した。

サルヴィーニ氏は当時、ジュゼッペ・コンテ首相や連立政権の合意を得ていると示唆していた。しかし検察は、コンテ首相が何度も移民の解放を要求したものの、サルヴィーニ氏はこれを無視し、独断で決定したとみている。

この件をめぐってはEUのディミトリス・アヴラモポロウス移民・内政・市民権担当委員が仲介し、キリスト教カトリック教会やEUの数カ国が移民の受け入れを認めたため、サルヴィーニ氏は7月31日にグレゴレッティの入港を許可した。

イタリアではここ数年、中東・アフリカから海を渡ってくる移民が問題となっており、EUに受け入れを要請している。サルヴィーニ氏は副首相時代、特に厳しい移民政策を推進し、入港を拒否していた。

「政権に戻り次第、再開する」

サルヴィーニ氏はかねて、この件について裁判で是非を問いたいと述べていた。議会での演説で同氏は、自分の移民政策が「数万人の命を救った」と「世界に知らせたい」と話した。

「私は冷静だし、自分のやったことを誇りに思っている。政権に戻り次第、またやるつもりだ」

「同盟」の上院議員は、12日の採決を棄権している。

(英語記事 Italy's far-right leader Salvini to face trial