なつ香ブリ ブランド成長 平戸特産オレンジ餌に使用

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「平戸なつ香ブリ」をPRする坂野雄紀専務=平戸市鏡川町

 長崎県平戸特産のサマーオレンジを餌に使った養殖の「平戸なつ香ブリ」が年間出荷1万匹を超えるブランド魚として成長している。ほのかに果実の香りがし、年間を通して脂が乗っているのが特長。10日夜、地元で味わう会があり、スーパーや飲食業関係者ら約110人が舟盛りやすしなど多彩な料理を味わった。
 平戸市鏡川町の水産加工・養殖業「坂野水産」(坂野武弘社長)が手掛ける。坂野雄紀専務(38)によると、坂野社長がミカンを餌に使った愛媛県の「みかん鯛(だい)」を味わったことを機に発案。平戸特産のサマーオレンジ「平戸夏香」に目を付けた。生産する同市堤町の「善果園」(近藤重雄代表)に依頼し、ジュースに加工した搾りかすの提供を受け、2013年にブランド化した。オレンジの皮に抗酸化作用のある成分を含んでいるという。
 地元の水産会社から購入した1~2キロのブリの稚魚を薄香湾のいかだに放流。5~9月は通常の餌で育て、10月から出荷する12月までは平戸夏香の皮を配合した餌を与えることで、魚特有の生臭さがなくなり脂の乗りが良い4~5キロのブリに育つという。
 昨年は計約1万匹を出荷し、今年は5月から約1万2千匹を養殖する予定。市のふるさと納税にも出品し好評を得ており、市内のホテルやスーパーなど計10施設に販売している。
 同市大久保町のホテルであった味わう会では、なつ香ブリの新鮮で歯応えのある刺し身や、あっさりした味わいのしゃぶしゃぶ、香ばしく上品な味のみそ焼きなどがテーブルに並び、来場者は会話を楽しみながら味わっていた。
 同社は今後、なつ香ブリのしゃぶしゃぶセットを販売する予定で、会員制交流サイト(SNS)での情報発信も強化する方針。坂野専務は「旬がなくいつでもおいしく味わえるのが強み。平戸の魚を楽しんでもらえるよう知名度アップに努めたい」と意気込む。問い合わせは同社(電0950.22.4426)。

「平戸なつ香ブリ」の刺し身を味わう来場者=平戸市、国際観光ホテル旗松亭