学生挑戦のエンジン完成 福山職能開発短期大学校の3人、15.16日披露

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完成した手作りエンジンの前で大会に向けて意気込みを語る学生たち

 福山職業能力開発短期大学校(福山市北本庄)の学生3人が、小型エンジンを作った。部品は1点ごと金属から削り出すなどし、完成まで約9カ月かかった。実走できる手作りエンジンは大変珍しいという。15、16日に府中市であるレースで出来栄えを披露する。

 排気量64ccで全長32センチ、高さ22センチ、幅25センチのアルミ製。生産技術科の福嶋一哉指導員(29)が昨年5月、「卒業研究として誰もやっていないことに挑戦しよう」と提案。市販品を分解して仕組みを調べた。形状や寸法のデータを基に、3次元測定機を使って千分の1ミリ単位の詳細な図面を仕上げた。

 部品作りに通常用いる鋳型は製作費が高いため、シリンダーやピストンなど主要な16部品は工作機械で1点ずつ作った。ただし組み上げたものの動くまでは試練の連続。シリンダーの吸排気口から空気が漏れたり、ピストンがうまく動かなかったり。開発から半年以上たっても、なかなかエンジンはかからなかった。

 レースまで残り10日となった今月6日、ようやく確実にエンジンが回るようになった。「正直、作れるとは思わなかった。本番は最後まで走り切りたい」とシリンダーを製作した藤原彩加さん(20)。福嶋指導員は「学生が作ったと言うと、エンジンメーカーも驚いていた」と話す。

 手作りエンジンに詳しい福山大工学部の小林正明講師(ものづくり工学)も「実用のエンジンを手作りした例は海外を含めても珍しい」と話す。

 15、16日は府中市桜が丘グラウンドである排気量50ccのゼロハンカーや手作り小型電気自動車の大会に参加。学生たちは、手作りエンジンは70ccまで可能という特別ルールでゼロハンカーレースに挑む。(野平慧一)