日本ハムの新たな施策は“平日デーゲーム” 新球場の集客に向けたマーケティング

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日本ハム・栗山英樹監督【写真:荒川祐史】

今シーズンは札幌ドームで平日のデーゲームが開催

 日本ハムの今季日程を手帳に書き込んでいる時、思わず手が止まった。本拠地開催の中に、例年とは異なる開始時間の試合が組み込まれていたからだ。

 例えば、3月26日の楽天戦は金曜日なのに午後1時開始。9月17日オリックス戦は木曜日なのに午後2時開始だ。平日のデーゲームが2試合もある。過去の札幌ドームの公式戦では記憶にない。

 2004年に北海道へ移転した当初は「北海道には仕事が終わった後にスポーツを見に行く文化がない」などと心配されたが、チームは着実に地域に根付き“ナイターを見る文化”も定着した。なのに、なぜ今、デーゲームなのか。

 そこには2023年に北広島市で開業する新球場「エスコンフィールド北海道」と関係があった。新球場は札幌駅から快速エアポートで16分の北広島駅から1.5キロほどの距離にある。仕事帰りにちょっと寄るというのは難しいという人もいれば、せっかく行くなら新しいボールパークをゆっくり堪能したいという人もいるだろう。

 新球場を運営する「株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント」の前沢賢取締役事業統轄本部長は、新球場の集客マーケティングを兼ねた試みであることを教えてくれた。

新球場の集客マーケティングを兼ねた試み「今は時間の使い方が変わってきています」

「今は時間の使い方が変わってきています。働き改革もありますし、平日が休みの方もいらっしゃいます。机上の空論をしても仕方がないので、チームと相談しながら、いろいろなバリエーションを再来年までやってみて、どう動くか見てみたいと思っています」

 平日デーゲームの狙いはもう1つある。こちらの方が大きな狙いと言っていい。子供たちに球場へ足を運んでもらうことだ。「野球をやっている子が、野球を見に来ることができていないんですよね」と前沢本部長は言う。平日も週末も練習と試合に忙しい子供たちに、観戦しやすい機会を作ってあげられないか。ここからアイデアが広がっていった。

「学校の課外授業として出来ないか、道内の市町村の教育委員会に働きかけています。平日に行っている工場見学の代わりにどうですか、と。観戦だけではなく、職業体験的なものをプラスαとして考えています。将来は、子供たちがつくったものを球場で売りたいなとも考えています」と構想を明かした。キッザニアのような体験をすると同時に、迫力あるプレーを間近で見ることができるなら、楽しいに違いない。

 新たな試みは、平日デーゲームだけではない。土曜日も4月11日のロッテ戦は午後6時開始と2年ぶりに土曜日ナイターが復活。4月25日楽天戦は午後3時、5月30日中日戦は午後4時開始とバリエーションが増えた。

 人々のライフスタイルの変化に合わせて観戦スタイルも変わっていくのだろう。釧路、帯広、函館といったナイター設備のない球場ではこれまでも平日デーゲームを行ってきた。年に1度か2度のレアな試合であることと、観客席数が少ないことを差し引いても、ほぼ満員という人気ぶりを誇る。球場前には様々な出店が並び、年に1回のお祭りといった趣だ。地方で盛況の平日デーゲームを札幌ドームでやると一体どうなるのか。興味津々である。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)