鷺流狂言公演・プロモーション映像上映 山口メセナ倶楽部が25周年記念事業 3月15日

▲読売山口メセナ大賞を2002年に受賞した山口鷺流狂言保存会

 山口市内の団体、事業所および個人が対等に金銭を拠出することで、地域の芸術文化活動を支援している山口メセナ倶楽部(中野勉会長、TEL083-925-2300)が、1994年6月の設立から25周年を迎えた。その記念事業として、国から「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」に指定されている山口鷺流狂言のプロモーション映像「過去から未来へ」をこのほど制作した。また、3月15日(日)に、読売山口メセナ大賞受賞団体でもある山口鷺流狂言保存会(樹下明紀会長)による記念公演を開催する。

 記念公演「鷺流狂言を感じよう」は、野田神社能楽堂(山口市天花1)で同日午後2時から4時まで開かれる。地元・山口の伝統芸能をより多くの人に楽しんでもらおうと、動きだけでもこっけいなやりとりが伝わりやすい2演目が上演作品に選ばれた。定員は500人。鑑賞は無料だが、整理券所持者が優先される。

 一つ目の演目は「不毒(ぶす)」。主人は、太郎冠者と次郎冠者に留守を命じるとともに、一つの桶を示して「これは『ぶす』という毒で、向こうから吹く風に当たっても死ぬほどだから、気をつけよ」と言い残して外出をする。好奇心にかられた二人の冠者は、扇で風をあおぎ返し、桶に近づいて、ついに蓋を開ける。中身を口にすると、甘い砂糖であった。二人は喜んでむさぼり食い、桶を空にしてしまう…。

 二つ目は「颯果(さっか)」。主人は、都にいる叔父に連歌を習いたいと、太郎冠者に呼びに行かせる。太郎冠者が顔を知らない叔父を呼び求めると、颯果(=詐欺師)がやってきて、自分が叔父だという。一緒に主人の元に帰ったものの、叔父が偽物だとわかった主人はことを荒立てないように詐欺師を追い返そうとするが、太郎冠者には全く通じない…。

 上演後には、「能楽堂見学会ツアー&狂言体験」(要予約)も開催。舞台上で狂言の所作や発声体験ができる。定員は20人で、参加費は500円。希望者は米本太郎さん(TEL090-6406-0245、taroyonemoto@yahoo.co.jp)へ。

 また、開演前、休憩時間、終演後には、前記のプロモーション映像がお披露目上映される。

 整理券の申し込みは、往復はがきの往信用裏面に①「鷺流狂言観覧希望」②郵便番号③住所④氏名⑤電話番号を、返信用表面に②③④を明記し、主催の山口メセナ倶楽部(〒753-0086 山口市中市町1-10 山口商工会議所内)へ。

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