「キング」ことヘルナンデス 開幕ローテ入りに自信

メジャーデビューから15シーズンにわたってプレイしたマリナーズからフリーエージェントとなり、マイナー契約でブレーブスに加入したフェリックス・ヘルナンデスは、招待選手としてスプリング・トレーニングに参加し、開幕ローテーション入りを争う立場となっている。最優秀防御率のタイトルを手にした2014年以降、年を追うごとに防御率が悪化し、昨季はついに6点台に突入したヘルナンデスだが、「俺はそんなに年寄りじゃない。まだ33歳だぜ」と復活に自信を見せている。

2007年から2015年までの9シーズンでヘルナンデスが記録した防御率3.00はアメリカン・リーグでベストの数字。オールスター・ゲームに6度選出され、2010年にはサイ・ヤング賞を受賞するなど、2000年代後半から2010年代前半にかけてのヘルナンデスは、間違いなくメジャーを代表する先発投手の1人だった。しかし、過去3シーズンは故障もあって合計59試合にしか先発できず、防御率5.42という苦しいピッチング。全盛期の「投げ過ぎ」も懸念され、「限界説」が囁かれていた。

ところが、ヘルナンデスは「体調は本当に良いよ。俺はグラウンドに出て、自分のやるべきことをやるだけさ」と復活への意欲を見せる。ブレーブスとしては、ヘルナンデスがオープン戦で好投して開幕ローテーションに名を連ねたとしても、年俸100万ドルを支払えばいいだけであり、全くリスクのないギャンブルである。むしろ「復活すれば儲けもの」くらいの認識だろう。しかし、ヘルナンデス自身は「ここに居ることができて嬉しい。まずは健康に過ごすことだ。誰とでも競争してやるよ」と本気で復活を目指している。

ブレーブスは先発5番手が固まっていないだけでなく、新加入のコール・ハメルズが4月前半まで欠場する見込みとなっており、結果さえ残せれば、ヘルナンデスに開幕ローテーション入りのチャンスは十分にある。リリーフから先発再転向のショーン・ニューカムのほか、カイル・ライト、ブライス・ウィルソン、トゥキ・トゥサントといった若手がライバルとなるが、ヘルナンデスは圧倒的な経験値を活かして彼らとの競争を勝ち抜くことができるだろうか。33歳の「キング」の挑戦に注目だ。

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