熊本県内厳戒、検査に限界 新型肺炎1日最大70件

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熊本城マラソンの出場受け付け会場では、新型コロナウイルス感染症対策のための消毒液が用意され、手や指につけて入場するランナーの姿が見られた=14日、熊本市中央区の辛島公園(小野宏明)

 感染経路が不明の事例が発生し、国内初の死者も出るなど、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、熊本県と熊本市は、県内での感染者発生に備えて検査や診療態勢の整備に追われている。県内では1日最大70検体の検査が限界。これを超える場合は隣県に協力を求めることになる。

 県健康危機管理課によると、14日午後5時時点で、県内で新型ウイルスの感染者は確認されていない。

 新型ウイルスは、インフルエンザのような簡易検査キットがないため、県保健環境科学研究所(宇土市)と熊本市環境総合センター(同市東区)の2カ所で検査。喉の粘液とたんの2検体(たんが取れない場合は粘液のみ)を採取し、遺伝子を調べる。1日当たりの検査能力は県が30検体、熊本市が40検体。

 厚生労働省の指示により、2機関とも検査で陽性が初めて出た場合は、念のため2度目の検査を実施する。このため結果判明には10~12時間程度かかる。ただ、2例目以降は1度の検査で結果とするため、5~6時間で判定可能という。

 感染者は、感染症病床がある県内10医療機関の計44床に入院することになる。県はこのほか、約400床の受け入れ可能病床の確保を進めている。

 感染を疑う事例について、厚労省は当初、流行地域(14日時点で中国湖北省と浙江省)への渡航歴や、渡航者との濃厚接触を重視。しかし、7日付で「自治体の判断で柔軟に検査を」とした通知を出した。これを受けて県と市も、渡航歴などの縛りを緩和する検査対象の拡大を調整中だ。

 県内で感染を確認した場合、立ち寄り先や移動手段といった情報をどこまで開示するかは、県も熊本市も「原則は非公表だが、ケース・バイ・ケースで判断する」と手探り状態が続きそうだ。(太路秀紀)