【新型コロナウイルス:速報】フランスの現状と渡仏に関して

中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスは、諸外国にも拡散し、連日ニュースで取り上げられています。フランスでは、1月24日(金)にヨーロッパ初の感染者が確認されました。フランスの現状や渡仏の際に気をつけたいことなど、在仏ライターがお伝えします。

(C)Shutterstock.com

フランスでの新型コロナウイルスについての報道

フランス国内での感染者数

(C)Shutterstock.com

2020年1月24日(金)にヨーロッパで初めてとなる感染者が確認されたフランスでは、2月13日(木)現在、11例が報告されています。

[参照]

・Santé Publique France: situation épidémiologique en France

スキーリゾート地で起きた感染例

先日大きく報道されたのは、モンブラン山近くのスキーリゾート地「コンタミンヌ・モンジョワ(Contamines-Montjoie)」で11人の新型コロナウイルス感染者が確認されたというニュースでした。英国人男性が1月28日(火)に自国に帰国後、新型コロナウイルスと診断されたそうですが、その前にコンタミンヌ・モンジョワに滞在。男性と同じ宿泊施設に滞在していた、もしくは何かしらの接触があった11人が感染し、5人がフランス(リヨン、サンテティエンヌ、グルノーブル)、別の5人は英国、もう1人はスペインのマジョルカ島で入院しているそうです。

この英国人男性は、フランス滞在前にシンガポールでビジネス会議に出席。100人を超える出席者の中に中国・湖北省出身の人が少なくとも1人は含まれていたそうで、専門家は感染の速さを指摘し、世界的な大流行を起こす危険性を示唆するような報道がありました。

[参照]

・TV5MONDE: De Singapour à Majorque en passant par les Alpes: itinéraire d'un virus

・Le Monde: La station de ski de Contamines-Montjoie, en Haute-Savoie, un foyer potentiel en France

休校になる学校も

今回の件を受け、コンタミンヌ・モンジョワのあるオート=サヴォワ県では、2月13日(木)現在、3校の小学校が休校となっています。

[参照]

・Santé Publique France: situation des cas groupés dans les Alpes, France

フランス発着のフライト運行状況は?

(C)Shutterstock.com

2020年2月11日(火)の情報では、エールフランス航空は2020年3月15日(日)までフランス~上海、北京間のフライトを欠航。3月16日(月)以降はKLMオランダ航空とともに、上記2つの目的地の運航を徐々にはじめる予定としています。

現時点では、3月29日(土)から通常運航を再開予定ですが、状況によってはスケジュールが変更になる可能性はありそうです。一方、中国南方航空や中国東方航空などの中国系の航空会社は、フランス~中国間の直行便を現在も運航しています。

[参照]

・Air France: HEALTH SITUATION IN MAINLAND CHINA (CORONAVIRUS)

・Le point : Coronavirus : comment aller en Chine

フランス国内の街の様子

(C)minacono

筆者の住むリヨンでは、先日のスキー場での感染者2名がリヨンの病院に入院し話題となりました。2名とも重い症状ではなく、現在は治療を特に受けてないとの報道もあり、特に緊迫しているような状況は見受けられません。

[参照]

・BFMTV: les patients hospitalisés à Lyon se portent bien

(C)minacono

マスクやアルコール消毒剤も、リヨンでは薬局で購入できます。普段から病気の予防としてマスクを着用する習慣がないので、町でマスクをしている人はまず見かけませんが、保育園や小学校、医療機関などでは特に慎重に状況を見極めているようです。

パリもマスクを着用して歩いている人は、街ではあまり見かけないと聞きますが、シャルルドゴール空港では職員がマスクをして対応しているケースもあるようです。

アジア人に対する偏見

(C)Shutterstock.com

今回の新型コロナウイルスを受けて別の問題として発展したのが、アジア人への偏見について。筆者本人が感じることは現時点でありませんが、通り過ぎる時に嫌な顔をされた、避けられた、口を塞ぐ仕草をされたなどの声は聞き及びます。アジア人の区別がつかないのは仕方のないことですが、たとえ中国出身の人であっても新型コロナウイルスに感染していると決めつけるのは全くの思い違いですよね。ただ、そういった偏見があることは否定できないのだと思います。

渡仏に際して

(C)Shutterstock.com

前述の通りフランスでは病気予防でマスクをする習慣はなく、マスクをするのは病気にかかった本人と捉えられるので、マスクを着用していると「重い病気なのかな?」「感染しているのかな?」と受け取られ、避けられたりする可能性は想定できます。そしてそれは習慣の違いでもあり、自分を守る行為でもあるので仕方ないように感じます。

誤解を与えないためにマスクをしないか、自分の安心のためにマスクをするのか、マスク着用に関してはご自身の判断が必要になると思いますが、マスク着用だけに頼ることなく、手洗いやうがいなどをこまめにして、予防策をしっかりしておきたいですね。

また、フランスでは日本のようにレストランやカフェ、公共のトイレなどの洗面所に、ペーパータオルが常備されている事がない場合も多いので、手洗い後の手を拭くためにハンカチやティッシュを忘れずに携帯したり、アルコール消毒剤を持っておくのもおすすめです。

(C)Shutterstock.com

日本での感染者数の状況など、今後の動き次第では日本~フランス間のフライトへの影響も心配されます。なんとか終息に向かうことを願うばかりですが、現状では情報を見極めながら慎重に判断したいところです。

[Photos by minacono and shutterstock.com]

Please do not use the photos without permission.

世界のコロナウイルス情報はこちらから

© 株式会社オンエア