大ヒット確実、新型「スズキ・ハスラー」の買い得グレードと2つの“初”技術

1月20日に発売を開始した新型スズキ・ハスラーに試乗しました。デザイン・カラー・安全性、すべてが旧型を超える出来の良さ。リーズナブルな価格設定も含めて、狙い目グレードをご紹介します。


グレード構成はシンプル

新型ハスラーは2種類のエンジンと2種類の駆動方式(FFと4WD)、これにベーシックと上級装備を搭載するグレードにより全部で8種類というシンプルな車種体系から選ぶことができます。

これに11色あるボディカラーを選ぶだけで、自分好みのハスラーを手に入れることができます。

ではどのグレードがお得なのかを早速見ていきましょう。

ボディカラーはイメージ訴求色のひとつ「デニムブルーメタリック」です

まずは“X”グレードを規準に

ハスラーの価格は136万5,100円から174万6,800円、これにはステレオカメラを使った先進安全装備「スズキセーフティサポート」が全グレード標準装備されます。昨今の200万円超えの軽自動車がある中ではかなりリーズナブルな設定となっています。

グレード構成はベーシックな“ハイブリッドG”と上級仕様の“ハイブリッドX”がラインナップされており、その価格差は15万2,900円です。

まずこのグレード選びですが、間違い無く“ハイブリッドX”をオススメします。理由はこの価格内に含まれる装備が非常に充実しているからです。

特に重要なのがアルミホイールやLEDヘッドライト&フォグランプ、そして「プレミアムUV&IRカットガラス(フロントドア)」と「IRカット機能付きフロントガラス」などです。お肌の大敵とも言われるUV(紫外線)をカットし、室内の温度上昇を抑えるIRガラスはエアコンの負荷が減るので燃費向上にも効果があります。

この他にも上質なトリムや使い勝手の良い収納スペースが増えるなどその数は20個近くに及びます。中にはオプションで取り付けられない物もありますし、そもそもこれを別々に購入したらこの価格では絶対に収まりません。つまり「価値ある価格差」と考えて良いでしょう。

普段の買い物の足や近距離の移動であれば、充実装備の「XグレードのFF(151万8,000円)」がオススメグレードと言えます。

乗り心地や静粛性が向上した理由とは?

次にエンジンと駆動方式ですが、街乗り中心であれば自然吸気のFF車で十分と言えます。このエンジンは新開発でマイルドハイブリッドの採用など実用燃費も含め、性能は大幅に向上しています。

全エンジンにマイルドハイブリッドシステムを搭載します

少し難しい話をすると、実は新型ハスラーには大きな新技術が搭載されています。それはスズキ車としては初の「構造用接着剤」と軽自動車としては初の「高減衰マスチックシーラー」と呼ばれるものです。

「構造用接着剤」はボディがしっかりと作れることでハンドリング性能や乗り心地などが大きく改善します。

そして「高減衰マスチックシーラー」は車室内のこもり音を軽減する技術で天井に設置されます。これにより「こもり音」だけなく、雨が降った際に雨音が天井を叩く音が大きく減少します。この技術はレクサス車などの超高級車で採用されているもので、快適性は大幅に向上するのです。

高速道路を走る際の新機能がスゴイ!

一方で高速道路や長距離を走る機会が多いのであれば「ターボ」グレードがオススメです。実は新型ハスラーには、ターボ車だけにACC(アダプティブクルーズコントロール)が装着されるのですが、車間距離を保ちながら追従走行のほか、停止までをサポートします。つまり渋滞時などでも前走車を捉えて発進・停止を行うことでドライバーの負担を大幅に軽減してくれる便利機能なのです。

ACCはターボ車のみ標準装備。車線逸脱抑制機能も搭載します

これもFFのXターボであれば価格は161万2,600円とかなり買い得感は高く、前述した自然吸気モデルとの価格差は9万4,600円と意外と少ないことがわかります。

ターボ車は出力を含めて走りに余裕がありますし、エンジン周りからの音も少し静かになります。ゆえにハスラー全グレードとしては「XターボのFF車(161万2,600円)」をベストグレードとしてオススメします。

4WDモデルはどうやって選べばいいのか

ハスラーには全グレードに4WDが設定されていますが、FF車との価格差は13万4,200円となります。

あまり雪の心配をしなくて良い人、スタッドレスタイヤを装着する予定がある人ならばFFで十分ですが、普段から降雪地に住んでいる人やスキーなどのウインターレジャーに出かけるのであればやはり4WD車は魅力的です。

特にハスラーには滑りやすい雪道などで車輪の空転を抑えるスノーモードなど、走破性を高める新機能を数多く搭載しています。

4WD車のインパネ下部には各種機能の操作ボタンを配置します

例えば「クルマにお金はあまりかけたくないけど、4WD車は絶対に必要」であれば、4WDをベースにグレード選びをするという手もあります。

前述したハイブリッドXのFF車と装備は減っても4WD車であるベーシックなハイブリッドG(149万9,300円)との価格差はわずか1万8,700円しか違いません。「クルマに上質さは求めない」「生活の道具」と割り切れる人にはこういう選び方もあることは知っておくと良いでしょう。

知っておきたいオプションの価格

リーズナブルなハスラーですが、これに諸経費や豊富なオプションからの好みの用品を取り付ければ、総支払額は200万円を超えるものも出てきます。

特に人気の2トーンボディカラーは有償であることを意外と知らない人も多いようです。ハスラーの場合、4万4,000円高になることも事前の予算に組み込んでおくと良いでしょう。

また今回メーカーオプションで設定されたメモリーナビゲーションは非常に利便性が高くオススメです。価格は18万4,800円とそれだけを聞くと高めに感じるかもしれませんが、コスパは抜群。これに関しては次回解説する予定です。

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