観光客が消えた! 京都がえらいこってす!! 並ばない清水寺、すいすい歩ける祇園や嵐山、何時代にタイムスリップしたのん!?(写真付き)

がら空きの公共交通 あの家電量販店も……

新型コロナウイルスの感染拡大が、古都・京都の観光に大打撃を与えている。近年のインバウンドの影響で年中、季節を問わず、街中には外国人観光客があふれていた。市内観光の足ともいえる市バスは、観光客でごった返し、地元住民が乗る隙間もないほどだった。タクシーに乗れば「お客さん、またバス乗れませんでした?」、「ほんまにすごい人やわぁ。いつまで続くんやろうねぇ」と、運転手と会話を交わすのが日常であったのに…。

しかし、コロナウイルスが蔓延して以降、京都の観光地は閑散とし、交通機関が混み合うこともなくなった。すいすいと歩ける祇園界隈や嵐山、ゆっくり見られる清水寺。ここ数年では考えられない状況だ。

とりわけ、中国人観光客が群を成して訪れていた駅前の家電量販店はガラガラ。筆者の友人は「久しぶりにマッサージコーナーでチェアのお試しできたわぁ」と、いつもならとんでもない混み具合を見せる場所を皮肉たっぷりに揶揄していた。

宿泊業も死活問題 キャンセルに嘆く

ゲストハウスを運営する友人は、この惨状を嘆く。「2月は比較的、閑散期ではあるけれど、昨年までは中国からの予約は多かった。今年はキャンセルも含めて新規の予約はほぼない。今入ってくる予約は4月以降。欧米の方が中心。このままだと事業としても厳しくなる」。

ただし、観光に関わりのない住民からは「やっとゆっくり過ごせる」「道路もバスで渋滞せえへんしええわ」なんて声も聞かれる。

観光客が多すぎても困るし、少なすぎても困る京都。春の観光シーズンを前にどうなることか。住民にとっては穏やかな日々が、観光業にとっては不安な日々が続く。(取材・文◎東山みなみ)

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