【MLB】アルトゥーベの謝罪は「嘘っぱち」 米メディアでボディーランゲージ専門家が分析

謝罪会見を行ったアストロズのホセ・アルトゥーベ【写真:Getty Images】

電子機器の使用は否定したアルトゥーベだが…「彼らは嘘を言っている」!?

 サイン盗み問題で批判を浴びるアストロズが13日(日本時間14日)にキャンプ地で記者会見を開き、選手らは初めて公の場で謝罪した。その中で、2017年のMVP、ホセ・アルトゥーベ内野手は電子機器の使用については完全否定したが、米国のボディーランゲージの専門家はこれをバッサリ。実際に記者会見を見た上で「全てのことは台本に沿った嘘っぱち」と証言し、謝罪にも「感情が入っていなかった」と分析したという。ニュージャージー州最大のニュースサイト「NJ.com」が伝えている。

 同メディアは「アストロズのアルトゥーベは『本当のこと言っていない』。ボディーランゲージの専門家は『全てのことは台本にそった嘘っぱち』と語った」とのタイトルで特集を掲載。謝罪会見への人々の反応が概ねネガティブであったと紹介しつつ「今週、アストロズの選手たちがこの問題について口を開いたときに、アストロズはズルするだけでなく、嘘つきでもあるということを証明したのだろうか?」と疑問を投げかけている。

 そして、国内トップのボディーランゲージの専門家である、トレーシー・ブラウンさんに分析を依頼したことに言及。実際にビデオを分析したブラウンさんは「全てのことは台本に沿った嘘っぱちよ」という「とても強い言葉」でアストロズについて語ったという。

 記事によると、FBIや警察、アメリカ陸軍特殊部隊にも協力しているというブラウンさんが見たのは謝罪会見、そして、昨年のア・リーグ優勝決定シリーズでアルトゥーベがヤンキースの守護神チャップマンからサヨナラ弾を放ち、ワールドシリーズ進出を決めた直後のヒーローインタビューだという。ヒーローインタビューは、アルトゥーベが味方にユニホームを破られるのを拒否し、着替えてから再びグラウンドに姿を現して受けたもの。着替えたのは、ユニホームの下に電子機器を仕込んでいたからではないかと疑われている。

 その映像を分析した結果、ブラウンさんは「アストロズが言っていることを全く信じないと語った」という。実際に「ブザーについても彼らは嘘を言っていると思うわ」と記事の中で証言。アルトゥーベは、当時のヒーローインタビューで同僚にユニホームを破られることを拒否した理由を聞かれ、質問を聞き返していたが、ブラウンさんは「これは嘘を言っているときのサインよ。そして、この質問に答えているとき、彼はこれまでと違って視線が下になっている。彼は、なぜシャツを破りたくなかったかについて本当の理由を話してないわ」と斬っている。

アルトゥーベとブレグマンの謝罪には「彼らは悪いことをしたとは全く思ってない」

 また、謝罪会見でアルトゥーベが「ブザーは誰も使っていない。MLBが調査して何も見つけることができなかった」と釈明した場面についても「彼は肩を何度もすくめているでしょう。これは、彼が自分の言っていることが、不確かであることを表している」と指摘。「彼はMLBの調査結果のことばかり言って、彼自身が実際ブザーを使ったかどうかについては何も言ってない」とも言及したという。

 そして、アルトゥーベとブレグマンが謝罪したシーンについても「これら全てで、全く感情が入ってないでしょう。『ソーリー』って言っているけど、心から言ってるわけでは全くない」と分析。「このビデオを見て私が言えることは、彼らは悪いことをしたとは全く思ってないということ。彼らは勝利した。2人ほど球団をクビになったけど、そんなの彼らはまったく気にしてない。彼らは勝ったのだから」と続けたという。記事の中で、ブラウンさんが終始厳しくアストロズの選手たちが嘘をついていると糾弾している。

 MLBは、ルーノー前GMとヒンチ前監督を2020年の1年間、報酬なしの停職処分として、アストロズに対しては2020年と21年のドラフト1巡目と2巡目の指名権剥奪、罰金500万ドル(約5億4870万円)を科した。ルーノー前GMとヒンチ前監督は球団から解雇されたが、選手に処分がないことについては批判の声も上がっている。

 また、実際にどの打者の打席で球種を知らせるゴミ箱の音が何回聞こえたかを数えたファンも現れ、当時の主力選手だったカルロス・ベルトラン氏が“主犯”だったという報道も出ている。ベルトラン氏は今季からメッツの監督を務める予定だったが、この騒動を受けて1試合も指揮を取らずに解任となっていた。次々と新たなニュースが出てきているが、すべての真実が明らかになる日は来るのだろうか。(Full-Count編集部)

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