楕円球追う姿に歓声 小6ミニラグビー大会

芝生の上を躍動する小学生たち=横浜市港北区の新横浜公園

 小学6年生が参加してミニラグビーの頂点を決める「ニチガス第10回神奈川県ミニラグビーファイナルカップ」が15日、横浜市港北区の新横浜公園で始まった。節目となる今回は県内や東北のラグビースクール計28チームが参加。磨き抜かれたチームプレーでトライを重ねた。県ラグビーフットボール協会の主催で16日まで。

 昨年のラグビー・ワールドカップ(W杯)閉幕から3カ月余り。大会会場は熱気に満ちていた。出場した小学生たちは時に体をぶつけ合いながら、芝生の上を躍動。楕円球(だえんきゅう)を追う姿に、観客からは大きな歓声と拍手が上がった。

 大会は2011年にスタート。小学校卒業後、競技から離れる子どもが多いことから、中学校進学後もプレーを継続してもらおうと企画した。

 県ラグビーフットボール協会によると参加チームは年々増加。W杯開催以降は新たに競技を始める子どもたちが増え、ラグビースクールへの新加入者は県内だけでも441人に上るという。大会副実行委員長の花房三千雄さん(53)は「ラグビー人気はかつてないほど高まっている。大会を通じてラグビーの楽しさや魅力を伝えていきたい」と語る。

 今大会には、12年から毎年参加している福島県スクール選抜の子どもたちの姿もあった。東京電力福島第1原発事故後、練習場が津波で流されてしまったり、屋外練習ができなかったりした中で大会へ招待され、現在も神奈川のチームと交流が続いているという。

 福島県スクール選抜の柳田是基監督(46)は「12年に参加した小学生たちは今年成人式を迎え、大学や社会人チームでラグビーを続けている子もいる。この大会があったおかげ。ありがたい」と笑顔。キャプテンの豊田朝陽さん(12)も「神奈川のチームは強いので対戦するのが楽しみだった。参加できてうれしい」と声を弾ませた。

 17日は日産スタジアムなどで決勝トーナメント戦などが行われる。

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