民族の音楽を通じて地域や同胞の交流を深めようと川崎市川崎区の川崎朝鮮初級学校で15日、音楽会が開かれた。地元住民を招き、朝鮮音楽のプロの歌声、演奏を在校生らと楽しんだ。
川崎市が補助金を支出している「多文化共生・地域交流事業」の一環で「私たちの歌 私たちの音楽」と銘打ち、同校が主催した。
フリーで音楽活動をしている在日コリアンのアーティスト5人が「カヤグム」(琴)や「チャンゴ」(太鼓)など民族楽器の演奏を披露。弦楽器「ソヘグム」で奏でたアニメ「ルパン三世」のテーマ曲や、朝鮮語による「アナと雪の女王」の主題歌に幼稚園児を含む子どもたちは大喜び。小学2年の郭陽美(カクヤンミ)さんは「『アナ雪』は英語で歌ったことはあるけど、朝鮮語で聞くのは初めて」と目を輝かせていた。
小学3年の娘もいる前で歌声を響かせた歌手の劉礼順(リュイェスン)さんは「朝鮮学校は自分の土台をつくった大切な場所。朝鮮の音楽を通して民族学校でしか学べない教育の尊さを知ってほしかった」。オモニ(お母さん)たちでつくるコーラスグループも日頃の練習の成果を披露したほか、日本の学校に通う子ども向けの朝鮮語教室の保護者参観も行われ、姜珠淑(カンジュスク)校長は「朝鮮学校を知ってもらい、交流を深める場として今後も続けていきたい」と話した。