【MLB】山口俊、柳賢振と志願のキャッチボールで得たもの 「こういうボールが…」

柳を相手にキャッチボールを行う背番号「1」のブルージェイズ・山口俊【写真:木崎英夫】

昨季14勝を挙げた柳賢振、山口は「僕からです」と志願のキャッチボール

 キャンプ3日目を迎えたブルージェイズの山口俊投手は、初のブルペン投球から一夜明けた15日(日本時間16日)、守備や牽制の練習で軽めの調整。米球界屈指の韓国人左腕、柳賢振とのキャッチボールを願い出てボールの軌道を確かめるなど、短い時間を有効活用した。

 今季からブルージェイズに移籍した国民的なスターを追う韓国メディアが一斉にカメラのシャッターを切った。背番号「1」の山口と「99」の柳が距離を約40メートルまで伸ばし肩を解すと、距離を詰め変化球を織り交ぜた。

「僕からです」。申し出たのは山口だった。

「キャッチボールの中でもどういう軌道のボールを投げているのかとか。あれだけ実績のある選手のボールを自分で受けてみたいなっていうのがあったので」

 ボールが音を立ててグラブに収まると山口はうなずいた。昨季の球宴でアジア出身の投手では野茂英雄以来、韓国人投手としては初の先発を務めた左腕は14勝を挙げ2.32の防御率でタイトルを獲得。山口は裸眼でその凄さを確かめたかった。

山口の調整にウォーカー投手コーチは「飛ばしすぎ」と懸念も…

 一番感じたのはグラブから掌に伝わる「強さ」だと言う。キャンプ初日には101マイル(約163キロ)の速球を誇る抑えのジャイルズともキャッチボールを行ったが、柳の球質の重さはジャイルズと似ていると話す。

「キャッチボールレベルですけど、こういうボールがメジャーで通用するボールなんだろうなっていうのが、なんとなくイメージはできました」

 日本で計8度のブルペン投球をこなし、すでに肩を3回張らせているだけあって、20~30球程度が一般的の大リーグで前日に投げた53球もまったく影響がないと言う。山口の古巣・横浜(現DeNA)で04年にプレーした経験を持つピート・ウォーカー投手コーチは、「飛ばしすぎ」を懸念する一方で、「自分のルーティーンを崩さず本来の投球ができるように調整法を相談しながらやっていく」とした。

 同投手コーチによると山口の次回ブルペンは17日。また20日には打者を相手にする「ライブBP」に登板予定だ。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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