派手さはなくとも堅実に貯金を増やすあたりに首位大村・東彼の強さがにじむ。12区まで区間賞なし。それでも、2位との差は初日の5分から10分に開いた。最後は13区平山(皇学館大)が断トツの区間賞でゴール。「最終日に少しでも楽になるようにと、事前にチームで確かめ合った堅実なレースだった」。残すはあと1日、V2への道は大きく開けた。
一方、大村・東彼、長崎、西彼・西海の「3強」崩しへ、この日も踏ん張ったのが佐世保。4位西彼・西海との差を6分24秒に広げた。第1日はゼロだった区間賞も、4区廣田(麗澤大)、5区堤(佐世保市総合医療センター)と連続で生まれ、直前の実業団選手欠場などの不安要素を全員でカバー。チームのテーマである「エースに頼らない駅伝」を体現した。
象徴的だったのは難コースの最終13区出走を急きょ告げられた38歳の池田(清水中教)。「2日目はフラット(平たん)な区間と聞いていたのに、1日目に走り終わってスマホを見たら総監督から留守電が…」。だが、そこはベテラン。「子どもからおじさんまでのチームワークを見せたかった。我慢は得意なので」とアップダウンも懸命に足を動かして順位を守った。
最多の優勝回数を誇る長崎も、大村・東彼の背中は遠ざかったものの、佐世保をかわして2位浮上。昨年は3日間で一つだった一般の区間賞も、6区入濱(瓊浦高)以降、この日だけで四つ取った。本村総監督(長崎中央郵便局)は「高校、大学生が頑張り、市民ランナーも意地を見せてくれた。最終日も総力戦で2位を死守したい」と言葉に力を込めた。
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