鷹ムーアの人間性に絶賛の声 甲斐「いい男」工藤監督「ジェントルマン」

来日後初めてブルペン入りしたソフトバンクのマット・ムーア【写真:福谷祐介】

ボールを受けた甲斐はムーアの人間性を絶賛「笑顔が素敵でちゃんと話をしてくれる」

 ソフトバンクの新助っ人として加入した前タイガースのマット・ムーア投手。メジャーで3度の2桁勝利をマークし、MLB通算54勝の実績を残した左腕が16日、来日後初めてブルペン入りし、53球の投球練習を行った。

 生憎の雨で紅白戦が中止となったこの日、報道陣とファンの注目を一身に浴びてブルペン入りした。ストレートだけでなくカットボール、カーブ、チェンジアップと全球種を披露。捕手を座らせて53球を投げ「ブルペン自体は良かった。(手術した)膝も全く問題ないし、いい感じで投げられた」と笑顔を浮かべた。

 ソフトバンクの貴重な先発候補として期待されるムーア。高橋礼投手が左太もも裏を痛めて離脱しただけに、左腕にかかる期待はより一層膨らむことになる。

 では、この日のボールを受けた甲斐拓也捕手は、ムーアのボールをどう感じたのだろうか。

 あくまでも、この日が来日初ブルペン。ここから状態を上げて、実戦を経て調整していくことになる。「まだブルペンで投げただけなので分からないですけど……」と、甲斐はそれを差し引いた上での印象を語った。

ブルペン後には、自らトンボがけをしマウンド整備する姿も

 第一声は「めちゃくちゃ良かったですよ」だった。その真っ直ぐの力強さ、ボールのキレ。「ストレートもまだまだ投げ始めですけど、それでも力強いボールが来てました。ボールは強いですし、コントロールも良さそうですね」と、メジャー通算54勝の片鱗を感じ取った。

 そして、一際、印象強かったのがカーブだった。「何よりカーブがいい。すごく曲がりが大きくてブレーキも効いて、カーブが1番良かったなというイメージです」。ムーア自身も日本のボールで「曲がりが大きくなった」というカーブが強力な武器になりそうだという。

 甲斐はその人間性に対しても好印象を口にした。喋った印象を問われると「めちゃくちゃいい男ですね。普通に合流して初日から話したり、紅白戦の途中にも喋ったりしたんですけど、本当に笑顔が素敵でちゃんと話をしてくれる」という。この日のブルペン後には、日本の文化に倣うように自らトンボがけをし、丁寧にマウンドを整備した。

 この日のブルペン投球を見守った工藤公康監督も「ジェントルマンだね。話し方もそうだし、すべきこと、やるべきことをちゃんとやってくれるタイプ。調整も心配していない」と、その人間性を語る。異国の地での成功の鍵を握るとされる人間性。その点について、ムーアには心配要らなさそうだ。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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