ありがとう 雲仙小 閉校式、133年の歴史に幕

感謝の思いを込め、校歌を歌う児童ら=雲仙市立雲仙小

 本年度末で133年の歴史に幕を下ろす雲仙市小浜町の市立雲仙小(本村日登生(ひとお)校長、11人)で16日、閉校記念式があり、児童や卒業生、地域住民ら約400人が学びやに別れを告げた。
 同校は1887(明治20)年に旧小浜村簡易富津小分室として創立。雲仙国民学校などを経て1947年、雲仙小へ改称した。同年以降、本年度の6人を含め2570人が卒業。雲仙温泉街にある学校として、運動会では旅館対抗種目でにぎわい、児童が名所案内する「子ども観光ガイド」など、温泉街ならではの地域交流の場でもあった。
 一方、子どもの数の減少で、60年の287人をピークに近年は児童数が30人を下回る状況が続き、新年度からは市立小浜小へ統合される。
 本村校長は「地域に支えられ、ともに成長するという教育の原点があった。雲仙小で育んだ笑顔と希望はいつまでも心の中で生き続ける」と式辞。児童は「心の古里、雲仙小ありがとう。そしてさようなら」と声をそろえた。
 「あした普賢の雲にみて/大地の恵み/お湯はわき」-。最後に参加者全員で校歌を合唱。涙と笑顔で学びやへ感謝の思いを響かせた。

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