給食に公費 茨城県内34市町村 保護者負担、軽減広がる

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学校給食費を公費で補助・負担する茨城県内市町村が34市町村に上ることが、茨城新聞の調査で分かった。子育て支援や少子化対策などの一環で、保護者負担の軽減を図る狙い。完全無償化は2町、多子世帯や一人親家庭などに対する一部補助は16市町に上る。食材の購入費などを公費で負担する措置は16市町村だった。本県の給食費は全国平均を下回っており、公費による補助や負担の広がりが要因とみられる。一方、完全無償化については、人口の多い自治体では予算規模が億単位になり、「実施は難しい」との声が上がる。

■完全無償化2町

給食費(食材費)は、学校給食法で保護者の負担とされる。市町村の判断で無償化を実施できるため、公約に掲げる首長もいる。

茨城新聞の調査によると、県内では、大子町と城里町が完全無償化を実施。第2子半額や、第3子以降の無償化など、多子世帯向けの補助は石岡市や結城市など計11市町。一人親や低所得者層向けの補助は5市町が実施していた。

大子町は県内市町村に先駆け2017年度から完全無償化を実施。予算に約4600万円を計上し、幼稚園、小中学校の児童・生徒計約千人分を町が負担する。同町は、人口に占める14歳以下の子どもの割合が7.9%で県内市町村で2番目に低い。人口減少に歯止めをかけようと、高校生までの医療費無料化などの子育て支援策を打ち出しており、給食費の無償化もその一環。

石岡市は、17年度から第3子以降の無償化を実施。19年度は事業費として約1800万円が予算に盛り込まれた。同市の学校給食課の担当者は「経済的負担を減らし、子育てしやすい環境づくりにつなげたい」と狙いを話す。

■全国平均下回る

一方で、本県の給食費の月額平均は全国平均を大幅に下回る。文部科学省の実施する調査によると、18年は給食実施回数191回に対し月額平均4343円。本県は平均194回に対し3769円で、全国平均を600円近く下回る。

県保健体育課は理由について「2町の無償化と、公費の投入による負担軽減が大きいのではないか」と指摘する。

公費を投入して材料費などを負担し、保護者の月額負担を抑える措置を取る自治体は16市町村に上る。

守谷市は小中学校合わせて食材の購入費用など約5360万円を負担する。同市は人口に占める子どもの割合が15.4%で県内で2番目に多い。同市学校給食センターによると、「食材費や人件費が値上がりしており、あまり保護者負担の金額が上がらないように抑えている」と話す。

また、水戸市は地元の食材を使ったメニューに対して予算に3310万円を計上して補助。同市学校保健給食課は「食育の観点から実施している」と話す。

公費負担を行う市町村が広がる一方、給食費の完全無償化については難しい現状だ。守谷市給食センターによると給食費無償化には「億単位の予算が必要になるとみられ、学校関係の予算とのやりくりが難しい」と話す。また水戸市学校保健給食課も「小・中合わせて給食費で10億はかかっているので無償化は難しい」と述べた。