攻めの姿勢 貫き連覇 大村・東彼 第69回郡市対抗県下一周駅伝大会・最終日

大村・東彼の1区栗原(東京国際大、右)が壱岐の雨海(中央発條)とのデッドヒートを制して前に出る=南島原市

 今年も大村・東彼は強かった。10年ぶりに総合優勝した昨年と比べて区間賞は半減したが、フィニッシュタイムは1分41秒短縮。集中を切らさず、隙を見せずに3日間つないだチームは、昨年の自分たちを超えてみせた。
 攻めの姿勢を貫いた。最終日、最長1区を任されたのは栗原(東京国際大)。第1日4区で区間6位と失速しており、アクシデントを考えると別の選択肢もあった。それでも「もう迷惑を掛けられない」と直訴して出走。結果、2日前と見違えるような走りで壮絶なスパート合戦を制し、チームはそのままビクトリーロードを突き進んだ。
 追われる立場の重圧は確かにあった。だからこそ、それを打ち消すだけのメンバーをそろえ、直前までコンディションや意欲を見極め、緻密に区間配置した。
 大会期間中は、どれだけリードを広げても、夜の全体ミーティングで気を引き締め続けた。優勝インタビューで野口総監督(九州電通)が「アンカーの弟子丸(諫早高)がゴールして、やっとホッとした」と振り返ったのは、心からの本音だった。
 これからはV3への挑戦が始まる。主力メンバーの入れ替わりもあるだろうが「優勝は続けるほど難しくなる。だからこそ挑戦したい」(野口総監督)。勝ち方を知りつくしたチームは、第70回大会に向けてさらに進化を続ける。

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