「ここは私たちの箱根」 シニア区間・本村健(長崎)3年連続区間賞 第69回郡市対抗県下一周駅伝大会・最終日

10区で区間賞を獲得した長崎の本村健(長崎中央郵便局)=雲仙市

 最終日の8、10区の2区間は、40歳以上の男子が健脚を競う通称「シニア(壮年)区間」。1999年の創設以来、数多くの市民ランナーが大会を盛り上げてきた。今年も11チーム計22人の代表が、郷土の誇りを胸に熱いレースを繰り広げた。
 8区は大村・東彼の本村晃(陸自大村)が好走。昨年まで2年連続2位の42歳が、三度目の正直で区間賞を手にした。10区は長崎の総監督も務めた45歳の本村健(長崎中央郵便局)が、2位の大村・東彼の中村(陸自大村)と1秒差の1位。これで一昨年の8区、昨年の10区に続いて、3年連続で区間賞に輝いた。「3年前から嫁が壱岐に単身赴任中。その間に走力を落としたら、何かあれなので、意地でも…」と照れくさそうに笑った。
 走り終えた選手たちは和やかに互いの健闘をたたえ合った。陸上に魅了された彼らにとって、ここは「シニア区間」ではなく「レジェンド区間」。本村健が「この場所に照準を合わせて1年間練習している。ここは私たちの箱根」とかみしめるように言うと、周囲から「俺もそうだ」という声が相次いだ。
 一方、新しい区間割りを求める意見も複数あった。「最近の40代前半は若い。45歳、50歳以上など年齢別に分け直してみたら面白い」「一般区間にルーキー専用があると裾野が広がる」「もっと“箱根”の区間を増やしてほしい」-。県下一周70年の節目を前に、時代に沿った改革を熱望していた。

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