【MLB】サイン盗みア軍への報復死球は「起きる」 Rソックス剛腕セールが予測

レッドソックスのクリス・セール【写真:Getty Images】

セールはRソックス前監督コーラ氏を擁護「この先も敬意を抱く」

 アストロズのサイン盗み余波が消えぬままスプリングトレーニングに突入した今季のメジャーリーグ。1月にはMLBから処分が下され、それを受けてアストロズの前GMジェフ・ルーノー氏と前監督のAJ・ヒンチ氏が解任となった。その一方で、2018年に世界一に輝いたレッドソックスにも“疑惑”が持ち上がり、2017年当時アストロズのベンチコーチを務めたアレックス・コーラ監督が退任。ベンチコーチだったロン・レニキー氏を暫定監督に昇格させた。

 現在はMLBの調査結果発表と処分の有無を待っている状況だが、エースのクリス・セール投手がコーラ前監督への「思いは不変」として「この先も愛と敬意を抱いていく」などと語った。地元メディア「マスライブドットコム」が伝えている。

 同メディアは「サイン盗みスキャンダルが浮上した後に、アレックス・コーラはボストン・レッドソックスのエースであるクリス・セールに電話した:僕のコーラへの思いは間違いなく不変」とのタイトルで詳報。サイン盗み疑惑が浮上し始めた時点でコーラ前監督がセールに連絡したという。

 セールは「彼はどんな時でも全く隠し事をしない人だった。(サイン盗み騒動の)プロセスを通じて、彼と話をした。彼はいつも正直。絶対に嘘をついたりはしないんだ」と語り、コーラ前監督が退任した夜に電話をもらったことを明かしている。

 さらにこう語っている。

「僕のコーラのへの思いは不変だよ。彼のことがたまらなく大好きだ。彼は間違いを犯しただろうか? その通りだ。人間は間違いを犯すもの。だけど、彼はこのプロセス全体について誠実だった。辛い話だったけど、これが現実。僕は彼に対してこの先も愛と敬意を抱いていく」

 30歳のセールは2010年にホワイトソックスでメジャーデビュー。16年オフに複数の交換トレードでレッドソックスに移籍した。そしてレッドソックス1年目の2017年、セールはアストロズとの地区シリーズ初戦に先発も5回9安打7失点と炎上し、敗戦投手になっている。この時、コーラ氏はアストロズのベンチコーチだった。

 当時の心境を振り返ったセールは「マウンド上で僕は『彼らはどんな手を使ってやがるんだ?』という感じだったね。彼らは変化球もフェンス越えしていた。その直後に真っすぐも打ち返していた」として、自身の投球を攻略したアストロズ打線に対する疑問を抱いていたことを明かした。

セールはWソックス在籍時の2014年に故意死球があったことに言及

 今回のサイン盗みに端を発し、“報復死球”がシーズン中に起こるのではないかという声も上がる中、セールは「ある程度起きると思う」と語っている。米テレビ局「NBCスポーツ」が伝えている。

 記事によると、ホワイトソックス在籍時の2014年、セールはタイガース戦でビクター・マルティネスに死球をぶつけたことに言及。観客席の人物がマルティネスにサインを伝達していたとセールは試合中に感じ、死球をぶつけ乱闘が勃発したという。

 今回の“報復死球問題”について、セールはこう答えている。「今回はどんな展開になるか興味深いね。今年はある程度(報復死球)起きると思うよ。それが正しいのか、間違っているのか、公平なのかはわからないけどね。やり方が正しいとか、間違っているとかはないと思うよ。選手たちは必要だと感じたことをやることになる。中にはより不正行為をされたと人一倍感じている人もいると思う」。

 2015、17年に最多奪三振のタイトルを獲得した、球界を代表する左腕はこう予想した。MLBのコミッショナー、ロブ・マンフレッド氏は16日(日本時間17日)にMLB球団の監督に「報復死球は許されない」と通達したというが……。今季のアストロズ戦は一体どんな展開になるのだろうか。(Full-Count編集部)

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