厚労省職員が新たに1人感染 船内で業務、宿泊施設非公表

一時的に横浜港を離れ、太平洋上に向かう「ダイヤモンド・プリンセス」=8日午前9時35分ごろ、横浜港・大黒ふ頭

 横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の新型コロナウイルス集団感染を巡り、厚生労働省は17日、船内で業務に当たっていた50代男性職員の感染が判明したと発表した。12日から6日間にわたり近くの宿泊施設を利用していたが、同省は「今の段階で感染拡大が起こりうる可能性は低い」と説明。施設の名称や所在地域は公表を控えた。

 同省によると、男性は11日から15日朝まで、船内で情報収集し同省と連絡調整する業務などに従事。11日は患者の下船業務も担当し、マスクと手袋を着用して交通整理に当たった。14日夜に発熱などの症状が出て、16日に感染を確認。17日に搬送された。濃厚接触者はないという。

 11日は自宅に戻ったが、12日夜から17日は同じ施設に宿泊。施設内の飲食エリアは利用せず、クルーズ船までは公共交通機関を使わずに移動した。同省は男性が宿泊した部屋の消毒措置を施設側と調整している。

 同省幹部は施設名を非公表とした理由について「少なくとも空気感染を起こさない」と説明。その上で、「正しく恐れてほしいと、丁寧に説明していくに尽きる」と理解を求めた。

 クルーズ船では乗客乗員約3700人のうち、計454人の感染を確認。このほか作業中の検疫官男性や、搬送作業に従事した横浜市消防局の男性救急隊員の感染も確認された。

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