八村選手に八本の撚糸 八尾外雲地区「県がうん天蚕の会」

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節子さんにループタイの説明をする友咲さん(左)と清澤さん(中央)

■祖母が縁 ループタイ贈呈へ

 富山市八尾地域の山あいにある外雲(がうん)地区で「天蚕(てんさん)」と呼ばれる野生種の養蚕に取り組む「県がうん天蚕の会」は、米プロバスケットボールNBA、ウィザーズの八村塁選手(同市出身)を応援しようと、天蚕の生糸のみを使ったループタイを制作した。八村選手の祖母、節子さん(72)が同地区の近くに住んでいる縁で企画。世界に一つしかないもので、同会は「ぜひ着けてもらい、富山を思い出すきっかけになればいい」と話している。(藤木優里)

 県がうん天蚕の会は、かつて養蚕で栄えた八尾地域で、天蚕のブランド化と伝統の保全を目指して友咲貴代美代表(53)が2009年に発足させた。現在は約800本のクヌギやコナラの木の森を管理している。天蚕の繭からできた生糸は1キロ約70万円で取引される。

 同会はこれまで、赤ちゃんを包む「おくるみ」やウエディングドレスなどを制作してきた。本年度の事業として、余剰分の生糸で組みひもを作り、八尾地域に縁のある八村選手にプレゼントを贈ろうと考えた。

 友咲代表が職人に教わりながら、生糸を組みひも用に束ねる「撚糸(ねんし)」を行った。組紐・組物学会認定講師の清澤澄江さん=富山市婦中町下轡田=が、八村選手の名字にちなみ、撚糸した8本の糸で組んでいった。

 止め金具には同市のアクセサリーショップ「Azizi」が八村家の家紋の「抱き茗荷(みょうが)」をデザイン。友咲代表は「これまでの事業の全てが詰まっている。途絶えつつある養蚕の伝統について関心を持ってもらうきっかけになればうれしい」と期待する。友咲代表からループタイを受け取った節子さんは「貴重なものをいただいた」と感謝を述べた。

 ループタイは東京五輪に合わせて八村選手が帰国する際、節子さんが手渡す予定。友咲代表は「ぜひ身に着けてもらい、多くの人の目に留まればうれしい」と話している。

県がうん天蚕の会が八村選手に贈るループタイ