弘前の街のシンボル・旧田中屋画廊、解体へ/「店舗活用」一転、安全性確保できず/店舗新築へ

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建物を解体することとなった「田中屋」の店舗。解体後、津軽塗製品の販売店を新築する方針

 2017年に閉店した青森県弘前市の津軽塗製造販売「田中屋」の店舗を活用して、津軽塗製品の新たな販売店を開設する計画を進めている市内の事業者が、現在の建物を解体する方針であることが17日、分かった。建物内部を一部解体して調べたところ、柱などの老朽化が著しく、改修補強工事では安全性が確保できないと判断したため。解体工事後に店舗を新築する。オープンの時期は、現時点で決まっていない。

 昨年12月に同市の事業者らが合同で設立した新会社「津軽漆器」(福士悟代表取締役)が同日、明らかにした。

 旧田中屋店舗が街のシンボル的存在として長らく市民に親しまれてきたことから、津軽漆器は当初、建物を維持しながらのリニューアルを目指していた。しかし、昨年末に着手した建物内部の工事・調査の結果、木柱の腐食やシロアリの被害が複数箇所で見つかり計画変更を余儀なくされたという。

 田中屋の創業は1897(明治30)年。1976(昭和51)年に、旧弘前市役所の古材を再利用して全面改装し、2008年には市の「趣のある建物」に指定された。画廊などを併設し、地域の文化発信拠点としての役割も担ったが、売り上げの減少などから閉店した。

 建物内部の工事を担当したマルノ建築設計(同市)の担当者は「詳細についてはまだ固まっていないが、とにかく老朽化が著しく、放っておくのも大変な状況」と話している。19日には現地で報道機関向けの説明会を開く。