閉校控え、教室の窓に生徒らが絵 卒業生らに披露へ

5階の教室の窓に描かれたウインドーアート=横浜市磯子区の県立磯子高校

 県立高校の再編統合で3月末に閉校する磯子高校(横浜市磯子区上中里町)で、生徒や地元ゆかりの画家らが教室の窓ガラスに絵を描く「ウインドーアート」の制作に取り組んでいる。閉校の思い出づくりとして進め、3月に卒業生や地域住民らに披露する。

 同校は県立高校改革の一環で4月に氷取沢高と統合し、「横浜氷取沢高校」となる。新校は現氷取沢高の校舎・敷地を活用するため、磯子高の久祢田啓嗣校長が「校舎空間を何かに活用できないか」と校内外に打診。最上階の5階にある7教室の窓にウインドーアートを施すことに決まった。

 制作にはウインドーアートを支援している日本理化学工業(川崎市高津区)が協力。ガラスに描ける同社製のチョークを使って1月から生徒有志や美大生らが制作を進め、「春夏秋冬」をテーマに同校の桜や学校生活などを描いている。

 2月10日は磯子区在住で脳性まひの画家・塚田麻美さん(35)が制作。子どもたちを鳥にたとえた色彩豊かな作品で、「山を越えて次の山へとはばたいていく様子を描いた。現在から未来につながるような絵にしたい」と説明する。

 今後は地元の市立さわの里小の児童らも制作に加わる予定。3月7、20日(午後2~4時)には卒業生や地域住民らに作品をお披露目する。与安透副校長は「学校が“完校”し寂しくなるが、最後の思い出づくりとして生徒や卒業生、地域の皆さんが喜んでくれたらと思う」と話している。

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