【MLB】ダルビッシュ、大谷翔平らの見解は? ア軍のサイン盗みで他球団選手から“声”続々

サイン盗み問題に揺れるアストロズ【写真:Getty Images】

トラウト「何人かに対する敬意も消え失せた。選手は何の処分も受けていない」

 アストロズのサイン盗み余波が消えぬままスプリングトレーニングに突入した今季のメジャーリーグ。MLBから処分が球団に下され、13日(日本時間14日)にはクレイン球団オーナー、ベイカー新監督、アルトゥーベら選手が会見に臨んだが、他球団の選手から多くの批判の声が挙がっている。

 エンゼルスのマイク・トラウト外野手らメジャーリーグを代表する選手をはじめ、カブスのダルビッシュ有投手ら日本人選手も声を挙げているサイン盗み問題。主な他球団選手の“見解”を改めて紹介する。

○マイク・トラウト外野手(エンゼルス)

「彼らへの処分に賛成できない。選手たちが何も(処分を)受けていないのだから。残念なこと。キャリアに影響を受けた選手たちもいる。多くの人が職を失った。多くの選手にとって、彼らの中の何人かに対する敬意も消え失せた。GMもヒンチ監督も解雇されたけど、選手は何の処分も受けていない。それが正しいことではないのは明らかだよ」

○コーディ・ベリンジャー外野手(ドジャース)

「みんな知らないだろうけど、2017年にアルトゥーベはジャッジ(ヤンキース)からMVPを奪ったんだ。みんなも知ってるようにドジャースからは(チャンピオン)リングを奪った。マンフレッド(コミッショナー)の(アストロズへの)処分は甘いよ。彼らを免責させたなんてね。彼らは3年もズルしてたのに」

○クリス・セール投手(レッドソックス)

「ある程度(報復死球が)起きると思う。正しいのか、間違っているのか、公平なのかはわからないけどね。やり方が正しいとか、間違っているとかはないと思うよ。選手たちは必要だと感じたことをやることになる。ただ、既に起きてしまったこと。泣き言を言うこともできるけど、僕なら真っ先にトレーニングして、頑張って世界一になることを目指す」

○クレイトン・カーショー投手(ドジャース)

「アストロズの選手たちが『ソーリー』と言っていないことは少し興味深いね。あまり反省が見られないよ。でも、僕は大丈夫だよ。もう終わらせたんだ。変えることはできないし、もうどうやっても勝つことはできない。だから切り替えるんだ」

○トレバー・バウアー投手(レッズ)=サイン盗みをデザインした“皮肉Tシャツ”を製作&販売

「(タイトルは)剥奪されるべきではない。処分はフェアだと思う。良い妥協点だと思うよ。とても複雑な問題なんだ」

大谷翔平「入った時からずっと言われていました。対策もきっちりしようねと」

○ダルビッシュ有投手(カブス)

「オリンピックでは、選手が不正行為をすると、彼らは金メダルをもらえないよね? けど、アストロズは依然として世界一の称号を保持している。僕はそれに違和感を覚える」

○田中将大投手(ヤンキース)

「そういう違和感があった試合は実際にあった。あんなすごい人たちが球種分かってたら、いい成績は収めますよ。そういう噂はありましたよ。その当時は本当かどうか分からなかったけど、実際にこういう問題が出てるわけですから。フェアじゃない」

○前田健太投手(ツインズ)

「今出てきたからと言って、僕たちが変わるわけではない。ただシーズンに入る中で(サイン盗みが)なくなるのは嬉しい。サインがバレなかったら打たれる確率、点を取られる確率は下がるので。投手としては嬉しい」

○大谷翔平投手(エンゼルス)

「入った時からずっと言われてましたけど。癖もそうですし、そういうことに関しては対策というかサインもそうですが、ブロックサインしたりとか、そういのもきっちりしようねと言っていました」

 MLBがアストロズに科した処分はジェフ・ルーノーGMとAJ・ヒンチ監督に1年間の報酬なしの停職、アストロズには2020年と2021年のドラフト1巡目と2巡目の指名権剥奪と罰金500万ドル(約5億4900万円)。この処分を受けてアストロズはルーノーGMとヒンチ監督の解任を発表した。

 しかし、選手への処分がなかったことに首をひねる他球団の選手も多い。四面楚歌状態のアストロズは今季、どんな戦いを見せるだろうか。(Full-Count編集部)

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