5Gで鳥獣撃退 富山県、ドローンでクマ威嚇やイノシシの苦手な臭い噴出

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 富山県は新年度、半径数百メートルの限られた場所で第5世代(5G)移動通信システムを展開する「ローカル5G」を活用して、有害鳥獣被害対策のモデル事業に乗りだす。里山に出没する鳥獣を最先端技術で識別し、イノシシに苦手な臭いを噴出したり、クマやサルを遠隔操作のドローンや草刈り機で威嚇したりして撃退する。建設現場の省力化を図る実証実験も行い、現場の負担軽減につなげる。

 18日発表した新年度当初予算案に、ローカル5Gを活用した地域課題解決の実証費3億円を計上した。

 国の新年度予算に盛り込まれる開発実証事業費37億5千万円の一部を活用して実施する。県の提案を国に採択してもらった後、県内でローカル5G基地局を新設し、既存の4G基地局と連携して事業を行う。

 有害鳥獣対策は、呉西と呉東の農園1カ所ずつでの実施を想定し、夏以降に展開する。農園などに設置した4Kカメラで鳥獣を撮影し、人工知能(AI)で識別する。ドローンや草刈り機を遠隔操作し、現地に人を配置しなくても撃退対策を講じることが可能となる。

 イノシシが嫌う臭いの噴出方法をはじめ、ドローンや草刈り機を遠隔操作する方法など技術面については、専門家の意見を聞きながら研究を重ねる。

 建設現場のモデル事業では、現地に設置したウェブカメラで現場の様子を撮影し、ベテランの作業員が離れた場所で確認する。その情報をもとに、現地に派遣した経験の浅い作業員に指示を出し、作業を進める。

 事業を巡っては、石井隆一知事が5日、総務省を訪ね、県の提案を採択するよう要請するなど準備を進めている。県の担当者は「人手不足の解消につなげ、全国のモデルとなるような取り組みにしたい」と話した。