新型肺炎拡大 「安全のため」神奈川の恒例行事も自粛相次ぐ

イベントの開催延期を伝える主催者のホームページ

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、神奈川県内でも開催予定のイベントを中止する動きが相次いでいる。高齢者らが集う催しをはじめ、地域の恒例行事などで自粛の動きが拡大。県も不要不急の催しについて、規模縮小や延期、中止とする方針を決めた。報道などで状況を見極めながら決断した主催者らは「残念だが安全のため」と口をそろえる。

 マラソンシーズンがピークを迎える中、17日に中止を決めた三浦国際市民マラソン(3月1日、三浦市)に続き、2月18日には追浜マラソン(23日、横須賀市)も中止を発表。公式サイトでは「皆さまの安全確保が難しい」とした。

 高齢者向けイベントも軒並み取りやめとなった。聖隷福祉事業団は講演などを行うシニアライフセミナー2020in横浜(18日、横浜市西区)を中止。担当者は「(集団感染が発生した)ダイヤモンド・プリンセスなど新型肺炎に注目が集まる横浜での開催に、参加者からも不安の声があった」と打ち明ける。市老人クラブ連合会主催の第6回シニアの祭典(27日、同市中区)も「健康を害する人が出たら困る」(担当者)と開催見送りを決めた。

 20、21日に予定していた羽田空港と横浜・みなとみらい21(MM21)地区を船で結ぶ国土交通省関東運輸局の実証運航「スマート・クルーズ・アクセス」も取りやめに。「お客さまの安全を最優先に決定した」(担当者)という。

 22日からの3連休は県内各地でイベントがめじろ押しだったが、自粛の動きが続出。菓子祭り2020(22.23日、小田原市)、地球市民フェスタ2020inODAWARA(23日、同市)、世界コマ大戦2020(22日、横浜市中区)、よこすか京急沿線ウォーク(22日、横須賀・三浦市)などが18日までに中止や延期を発表した。

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