ツバキ全国、国際大会中止 五島 準備8年も痛手

国際ツバキ会議と全国椿サミットの中止を決めた大会実行委員会=五島市、県五島振興局

 長崎県五島市で29日から開催が予定されていた「国際ツバキ会議」と「全国椿サミット」について、大会実行委員会(会長・野口市太郎五島市長)は18日、市内で緊急会議を開き、両大会の中止を決めた。国内でも新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の感染が拡大している状況を受けた措置。国内外へ「ツバキの島」のPRを目指していた市にとって痛手となる。
 国際会議は世界各地で2年に1回開き、各国のツバキ研究者が発表や情報交換を行う。五島市開催は初だった。今回は日本のツバキ愛好家らが訪れる全国サミットの同時開催も予定され、両大会で計400人近い来島者を見込んでいた。
 実行委は新型肺炎の感染者が多い中国本土からの参加者に対し、14日までに参加自粛を要請。開催を模索してきたが、高齢参加者が多く、感染した場合に重症化の恐れがあることや、会議室など密閉空間での行事が多いことなどから、島民や来島者の安全確保が難しいと判断した。
 野口市長は「五島大会の開催決定から8年かけて準備してきた中で中止は残念だが、市民や参加者の安全を考慮すると中止はやむを得ない」と話した。
 このほか、29日夜に予定されていた鬼岳の野焼きも中止。毎冬恒例の「五島椿まつり」(22日~3月1日)は一部プログラムの実施を見送る予定。23日の「五島つばきマラソン」は開催する。

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