世界で最も革新的な企業「Derwent Top 100 グローバル・イノベーター 2020」発表

2020年2月19日
クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社

発明市場の競争激化により大手企業のシェアが低下、世界の特許勢力図の細分化が進む、
クラリベイト・アナリティクスの調査結果を発表
日本企業が 「Top 100グローバル・イノベーター」の3分の1を占め、米国に次いで2位となりイノベーション先進国の地位を維持

2020年2月 19日、英ロンドン、米フィラデルフィア、東京—イノベーションを加速する信頼性のある知見と分析を提供する世界的リーダーであるクラリベイト・アナリティクス社(本社:米国フィラデルフィア、日本オフィス:東京都港区)は、本日「Derwent Top 100 グローバル・イノベーター 2020」を発表いたしました。

今回のレポートにおいて、市場のディスラプターとの競争に直面する大手企業 の発明市場におけるシェアが18%まで低下し、世界のイノベーション勢力図の細分化が急速に進んでいることが明らかになりました。

世界で最も革新的な企業・機関が選出されました。昨年2018年度のレポートにおいて、日本が最多受賞国となりましたが、9回目となる今年は日本が32社、米国が39社でトップの座を奪還しました。この2か国だけで「Top 100 グローバル・イノベーター」のほぼ4分の3を占めました。
また、業種別では、ハードウェア・電子部品製造分野からの選出が38社で昨年より3社増え、次いで製造・医療機器製造分野 が16社、通信とソフトウェア分野がそれぞれ8社となりました。

2020年のレポートでは分析対象を初めて上位100企業から更に拡大したことで3つの傾向が見られました。
発明市場における上位1,000社のシェア低下: 6年前にはDerwent World Patents Index™ (DWPI)の全発明の4分の1以上(27%)が上位1,000社のものでした。それが今では、18%まで減少しています。より規模の小さい企業、あるいは個々の起業家や発明家が生み出す特許がますます増えています。大企業はより良い協力体制を築き、時代に合ったパートナーシップを模索しなければ後れを取るリスクがあります。
協力の必要性: イノベーションの知識集約化が一段と進んでいます。技術が集約されるにつれ、基礎科学と工学分野の関連性が強まり、複合的な専門知識が求められるようになりました。この事実は、DWPIの特許登録1件当たりの平均発明者数が2.84人(2014年)から2.99人(2019年)に増加していることにも表れています。
競争の激化:「Derwent Top 100 グローバル・イノベーター」入賞に必要な基準スコアが、この6年で2割以上増加しています(22%)。今年の「Derwent Top 100 グローバル・イノベーター」を初めて受賞したフジクラ、HTC、イマージョン、マイクロチップ、シュナイダーエレクトリック、テンセントの6社は、イノベーション市場の厳しい競争を勝ち抜き、2015年以降ランキングを平均で250位上げています。

クラリベイト・アナリティクスのIPグループ担当アナリティクス部門代表であるエド・ホワイト(Ed White)は次のように述べています。「電話から電気自動車、医療機器に至るまで、現代の発明はすべてより深くより広い専門知識を必要とし、かつては無関係だった分野が協力し合う必要があります。これまでイノベーションのプロセスを支配してきた大手企業が、より複雑でより細分化されたエコシステムの中で繁栄し続けるためには、新しい協力の方法を探り、それを受け入れなければなりません。」

クラリベイト・アナリティクスのIPグループ担当プレジデントであるジェフ・ロイ(Jeff Roy)は次のように述べています。「『Top 100 グローバル・イノベーター』の企業のみなさま、心よりお祝い申し上げます。今回、伝統的に変革の企業努力をされてきた企業はもちろん、今日のダイナミックな市場で新しく頭角を現された企業も数多く受賞されており、これはとても素晴らしいことだと思います。彼らは皆、創意工夫を繰り返しながら新しいアイデアを生み出す文化を構築し、知的財産の確立と保護を通じて、将来のイノベーションの基盤を築いています。」

クラリベイト・アナリティクス・ジャパンの代表取締役である櫻井諭は次のように述べています。「日本の企業は世界のイノベーション改革に寄与し続けています。 クラリベイト・アナリティクスは今後も国内企業と協力して更なるイノベーションを進めていきます」

「Derwent Top 100 グローバル・イノベーター 2020」レポートは、世界で最も革新的な企業を掲載しています。これらの企業は、市場リーチやその先の発明に対しても高い影響力を持ち、商品化の可能性も十分とされる特許の発明に成功しています。レポートは下記ウェブサイトからダウンロードすることができます。
http://discover.clarivate.com/2020-Top100

【Derwent Top 100 グローバル・イノベーター ™ 2020受賞企業】
日本企業 32社(英文社名のアルファベット順、右列は日本語の正式名称)
*は9年連続受賞企業 (11社)
Aisin Seiki Co., Ltd. アイシン精機株式会社
AGC Inc. AGC株式会社
CASIO COMPUTER CO., LTD. カシオ計算機株式会社
DAIKIN INDUSTRIES, LTD. ダイキン工業株式会社
FUJIFILM Corporation 富士フイルム株式会社
Fujikura Ltd. 株式会社フジクラ
FUJITSU LIMITED 富士通株式会社*
Furukawa Electric Co., Ltd. 古河電気工業株式会社
Hitachi, Ltd. 株式会社日立製作所*
Honda Motor Co., Ltd. 本田技研工業株式会社*
Japan Aviation Electronics Industry, Limited 日本航空電子工業株式会社
JFE Steel Corporation JFEスチール株式会社
Kawasaki Heavy Industries, Ltd. 川崎重工業株式会社
Kobe Steel, Ltd. 株式会社神戸製鋼所
Komatsu Ltd. 株式会社小松製作所
Mitsubishi Electric Corporation 三菱電機株式会社
Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 三菱重工業株式会社
NEC Corporation 日本電気株式会社*
NICHIA CORPORATION 日亜化学工業株式会社
Nippon Steel Corporation 本製鉄株式会社
NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION 日本電信電話株式会社*
NISSAN MOTOR CO., LTD. 日産自動車株式会社
Olympus Corporation オリンパス株式会社*
OMRON Corporation オムロン株式会社
Panasonic Corporation パナソニック株式会社*
Renesas Electronics Corporation ルネサス エレクトロニクス株式会社
Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. 信越化学工業株式会社*
Sony Corporation ソニー株式会社*
TDK Corporation TDK株式会社
TOSHIBA CORPORATION 株式会社東芝*
Toyota Motor Corporation トヨタ自動車株式会社*
YASKAWA Electric Corporation 株式会社安川電機

その他の国/地域の受賞企業68社 (英文社名のアルファベット順)
OrganizationCountry/Region
3M USA
ABB Switzerland
Abbott USA
Alstom France
Amazon USA
AMD USA
Analog Devices USA
Apple USA
AT&T USA
BASF Germany
Bayer Germany
BD USA
Blackberry Canada
Boeing USA
Boston Scientific USA
Cisco Systems USA
Commissariat à l’Energie Atomique France
Corning USA
Dolby Laboratories USA
Dow USA
DuPont USA
Eaton USA
Emerson USA
Ericsson Sweden
Facebook USA
Foxconn Technology Group Taiwan
Fraunhofer-Gesellschaft Germany
GE USA
Google USA
Honeywell USA
HP USA
HTC Taiwan
Huawei China, Mainland
Immersion USA
Intel USA
ITRI Taiwan
Johnson & Johnson USA
Johnson Controls Ireland
Kaspersky Lab Russia
LG Electronics South Korea
LSIS South Korea
Medtronic USA
Merck Germany
Microchip Technology USA
Micron Technology USA
Microsoft USA
Nike USA
Nokia Finland
Novartis Switzerland
NXP Semiconductors Netherlands
Oracle USA
Qualcomm USA
Quanta Computer Taiwan
Raytheon USA
Roche Switzerland
Royal Philips Netherlands
Saint-Gobain France
Samsung Electronics South Korea
Schneider Electric France
Symantec USA
TE Connectivity USA
Tencent China, Mainland
Texas Instruments USA
Thales France
University of California USA
Xerox USA
Xiaomi China, Mainland
Xilinx USA

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Derwentについて
Derwent™はクラリベイト・アナリティクス傘下の企業で、「Derwent Innovation™」、「Derwent World Patents Index™」、 「Derwent Patents Citation Index™」、「Derwent Data Analyzer™」などの信頼できる特許データ、アプリケーション、サービスを以て、アイデアから商業化までのイノベーショのライフサイクルにエネルギーを供給します。当社は、新興企業から最大のグローバルイノベーターまで発明者、特許弁護士、ライセンシングスペシャリストのため、有数の知的財産実務の法律専門家ため、40以上の特許庁のためにソリューションを用意しています。 当社のソリューションは技術動向や競合状況の把握、FTOの見解の通知 、特許出願の手続き、資産を収益化、ライセンス、訴訟活動の支援などに使用されています。詳しくは https://clarivate.jp/product-category/intelligence-and-services/をご覧ください。

クラリベイト・アナリティクスについて
クラリベイト・アナリティクスは、イノベーションを加速するために信頼性のある知見と分析を提供する世界的リーディングカンパニーです。過去150年にわたる事業継続を通じて、Web(ウェブ) of(オブ) Science(サイエンス)™、Cortellis(コルテリス)™、Derwent(ダーウェント)™, CompuMark(コンピュマーク)™、MarkMonitor(マークモニター)™、Techstreet(テックストリート)™など、イノベーション・ライフサイクル全般にわたり信頼のある製品ブランドを築いてきました。これらの製品は科学と学術研究、特許調査と工業規格、商標およびドメインブランド保護、製薬およびバイオテクノロジーなどの分野で今日のイノベーションをサポートします。
現在、クラリベイト・アナリティクスは、起業家精神に基づく独立した新会社となり、お客様のアイデアをより速く革新的なイノベーションに変えていくためのソリューションを提供し、100カ国以上で事業を展開しています。
(詳しくはClarivate.jpをご覧ください。)
クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社は、2016年にトムソン・ロイターのIP&Science事業を、オネックスとベアリング・アジアの2社が買収し、2017年に設立されました。 米国フィラデルフィアに本社をもち、従業員数は約4000人となります。

将来の見通しに関する記述について
本プレスリリース、ならびに本リリースに含まれる情報に関する口頭の記述には、クラリベイト・アナリティクスに関する予測や将来の見通しに関する記述が含まれている場合があります。将来の見通しに関する記述は、クラリベイト・アナリティクスが作成時点において期待すること、もしくは将来の出来事についての予測を提供するもので、期待される相乗効果やその他の将来的見込みに関する記述を含んでいることがあります。これらの記述には、クラリベイト・アナリティクスの管轄外の要因により、実際の結果が物理的に大幅に変わる可能性のあるリスクや不確定事項が含まれています。クラリベイト・アナリティクスは、新たな情報、将来の出来事、その他の結果の如何を問わず、ここに示された記述を更新または修正する義務は一切負わないものとします。
クライリベイトとそのロゴ、およびここで使用されているその他すべての商標は、それぞれの所有者の商標であり、ライセンスに基づいて使用されています。

【分析方法】
今年で9年目を迎えた「Derwent Top 100 グローバル・イノベーター」は「Derwent World Patents Index(DWPI)」と 「Derwent Patent Citations Index(DPCI)」から、高度且つ信頼できる特許データを利用し、以下の4つの軸に基づいてイノベーションを評価しています。
1. 特許数:過去5年間に少なくとも100件の発明特許を取得している(かつ出願は500件以上)企業を抽出します。
2. 引用における特許の影響力: 他企業・団体による外部引用の多さによる下流への影響の水準。過去5年間について「Derwent Patent Citations Index™」を通じて測定されます。自社による引用は除く。
3. 成功率:特許取得成功率の高さ。
4. グローバル性:特許出願者による当該発明への投資の水準。これは、中国、欧州、日本、米国の4つ主要な市場の特許庁すべてに対する特許保護申請のプロセスを通じて評価されます。

これらの分析には、以下のクラリベイト・アナリティクスの各データベース、分析プラットフォームを使用しています。
世界最大級の付加価値特許データベース 「Derwent World Patents Index(DWPI)

特許調査・分析プラットフォーム 「Derwent Innovation

主要特許発行機関の特許引用情報 「Derwent Patents Citation Index(DPCI)