横浜港寄港キャンセル11回 新型肺炎影響に市長危機感

横浜港に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」=19日午前9時40分ごろ、横浜港

 横浜市の林文子市長は19日の定例会見で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が市内経済に出始めていることを明かし、強い危機感を示した。また横浜港に停泊するクルーズ船で集団感染が起きたことから、市のクルーズ事業への「風評被害を心配している」と述べた。

 市長は、事業者にヒアリングをした結果として、ホテル業界では日本人客や中国以外の外国人から宿泊キャンセルが出始め、製造業では中国からの部品調達に支障が出ていると説明。パシフィコ横浜(同市西区)でも複数の催事が中止になったとし、「感染経路が明らかにならず、今後キャンセルが増える可能性もある」との見通しを示した。

 また市港湾局によると、3月末までに予定されていた寄港のうち、集団感染が起きた「ダイヤモンド・プリンセス」、感染者が乗船しているとして日本などから入港を拒否された「ウエステルダム」など計11回がキャンセルされた。4月以降についても既に相談が寄せられており、同局はコロナウイルスの終息状況を踏まえ、船会社に寄港を働き掛けるとした。

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