佐世保市消防局は、119番通報を受け付けたり、救急隊や消防隊に指示を送ったりする消防通信指令システムを新しくした。動画による現場の状況確認や、スマートフォンから文字を使った通報が可能になる。25日に仮運用を始め、4月1日から正式に運用する。
市消防局は、2004年から現在のシステムを運用している。新システムの導入は、豪雨による土砂災害や河川の氾濫が増える中、現場の状況をより正確に把握し、住民の命を守る指示を迅速に出せる体制を整える狙い。
新システムでは、現場に駆けつけた隊員のヘルメットに付けたカメラで動画を撮影。災害の被害状況などをリアルタイムで確認できる。通報者の場所を正しく把握するため、日本版の衛星利用測位システム(GPS)を担う準天頂衛星「みちびき」を前橋市と並び全国で初めて導入した。
全ての人が通報しやすい仕組みも充実させた。聴覚や言語機能に障害がある人が、スマートフォンで文字などを入力して通報ができる「Net119緊急通報システム」を導入。利用は登録制で、3月に市消防局で説明会を開く。
19日には完成披露会があり、管内の2市5町の代表者らが新しい指令室を見学した。朝長則男市長は「効果的な災害対応に貢献できると期待している。安全で安心して暮らすことができる町づくりを実現したい」と述べた。
佐世保市消防局が新消防通信指令システム導入 現場から動画送信 スマホで文字通報
- Published
- 2020/02/20 00:04 (JST)
- Updated
- 2020/02/21 00:06 (JST)
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