長崎駅前国道に高架橋 デッキ設け動く歩道 バスターミナル再整備

大黒町側にバスターミナルを整備し、デッキで長崎駅側と接続する案

 長崎駅周辺や松が枝地区の交通機能を考える「長崎市中心部の交通結節等検討会議」(座長・平田研副知事)の第2回会合が19日、長崎市内で開かれた。長崎駅周辺は国道上に高架橋のデッキを設けて長崎駅側と県営バスターミナル側を結び、同ターミナルは再整備する。クルーズ船が寄港する松が枝地区は路面電車の延伸などを検討することを確認した。

 長崎駅は新駅舎が3月、150メートル西側に移転し、バスや路面電車との乗り継ぎが不便になる。課題としてバス停が分散して観光客に分かりにくいことや、国道の交通量が多く歩道橋でしか横断できないこと、電停のバリアフリー化が指摘されている。
 駅周辺対策として、新たにできる駅前広場に立体ターミナルを作る案や国道地下にミニバイパスを整備する案、路面電車を駅側に引き込む案も示されたが、景観やコスト面などから採用されなかった。
 新設するデッキには動く歩道を整備し、歩行者の移動を支援する。デッキ下にはバス停を集約。電停やバス停にはエレベーターを設置するとした。当初計画した新駅北側のバスターミナル案は白紙に戻す。
 駅前の交通量を浦上川線へ分散させるため、同線の交差点の改良などを検討することも確認した。
 松が枝地区については、長崎駅方面から路面電車で直接、大浦方面に行けるよう軌道を改良し、松が枝方面への延伸にも取り組むことを検討する。将来的には出島電停から長崎みなとメディカルセンター方面へ直進する軌道の新設も検討するとした。
 委員は県、市、交通事業者、経済団体、県警、大学、国土交通省の関係者ら22人。2022年度の新幹線開業後、交通機関の乗り継ぎの利便性が低下するとして、委員からは「人口減少が進んでいる。早く交流人口を増やす対策を示してほしい」「スケジュールを出してほしい」との意見が出された。次回は3月下旬に開き、基本計画案をまとめる。

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