「信じられない強さ」…巨人史上最強助っ人クロマティ氏が語る、黄金期の西武

巨人史上最強助っ人と呼ばれるウォーレン・クロマティ氏【写真:荒川祐史】

西武には日本シリーズで2度敗戦「すごいチーム。最強でした」

 元巨人のウォーレン・クロマティ氏は日本で大成功を収め、球団史上最強助っ人として絶大な人気を誇った。バリバリのメジャーリーガーとして1984年に来日し、数々の伝説を残したが、日本一に輝いたのは89年の1度。日本シリーズでは87年、90年と2度、西武に敗れた。

 当時の西武は黄金期。82年から92年までの11年間で8度も日本一に輝くなど、圧倒的な強さを見せつけていた。クロマティ氏は昨年行われたFull-Countのインタビューで“ライバル”について「信じられない強さだった」と回顧。そして、主力の一人だった秋山幸二氏を「日本史上で最も私のお気に入りの選手」と改めて絶賛していた。

 巨人と西武の関係について「いつだってライバル」と表現するクロマティ氏。巨人在籍中、日本シリーズでは87年、そして最終年の90年と西武に敗れた。89年には3連敗の後の4連勝で近鉄を撃破して日本一を経験したが、西武には勝つことはできなかった。

 クロマティ氏は昨年のインタビューで「自分の最後の日本シリーズは所沢球場。西武相手でした。すごいチームだった。モリさんが監督で、いつも腕を組んでいた。グッドチーム。ジャイアンツはノーチャンスでした。(西武は)最強でしたよ」と振り返っている。全盛期のメンバーも強烈だったという。

「野手全員が強力でした。アキヤマさん、イシゲさん、ツジさん、デストラーデさん、キヨハラさん、イトウさん……。カクさん、クドウさん、ワタナベさん、ヒガシオさん、マツヌマさん……先発ピッチャーもブルペンも強力でした。ピッチャー、キャッチャー、セカンド、センターも強力。かなり印象的でした。あんなチームは見たことがありません」

「アキヤマさんは私にとってナンバーワンかもしれませんね」

 当時は巨人も豪華なメンバーだったが、それでも西武には敵わなかった。特に90年は4連敗で敗退。昨年Full-Countで実現した元同僚・篠塚和典氏との対談でも、クロマティ氏は「西武はとにかく強すぎた」と振り返っていた。

「ジャイアンツは私が在籍していた当時、ヤマクラさんが捕手、コウノさんが遊撃、シノヅカさんが二塁、センターは私かマツモトさん、ヨシムラさんが右翼、私が左翼。ナカハタさんが一塁、ハラさんが三塁……。それでも西武は信じられない強さでした」

 特にクロマティ氏が一目を置いていたのが、同僚だった吉村禎章氏、そして秋山氏だ。

「彼(秋山氏)はメジャーリーグでプレーできました。彼は5ツール。パワー、ディフェンス、バッティング、アーム(肩)、スピード。5ツールですよ。本当に支配的な選手でした。巨人のヨシムラさんも怪我する前は5ツールプレイヤーでした。アキヤマさんとヨシムラさんは日本史上で最も私のお気に入りの選手です。アキヤマさんは私にとってナンバーワンかもしれませんね。ヨシ(吉村氏)はそこに近い存在。ヨシも怪我する前なら大リーグに行けたでしょう。そうです。間違いない」

 当時、秋山氏がメジャーリーグでプレーしたらどんな成績を残していたのだろうか――。

 来日前にMLB通算1038試合出場の実績を誇り、巨人入団直前の83年にもエクスポズで120試合出場とバリバリのメジャーリーガーとして日本にやってきたクロマティ氏。世界最高峰の舞台で戦っていた球団史上最強助っ人が、秋山氏の圧倒的な能力に魅了されていた。(Full-Count編集部)

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