「勝負した先に五輪切符」 来月1日・東京マラソン出場 井上大仁 日本記録更新へ 調整順調

東京マラソンへの抱負を語る井上(MHPS)=長崎市、三菱重工昭和寮

 東京五輪男子代表の残り1枠が懸かる3月1日の東京マラソンに招待選手として挑む井上大仁(MHPS、諫早市出身)が19日、長崎市内で記者会見を開き、本番に向けて「日本記録(2時間5分50秒)更新を一つの目標として、優勝争いに絡んでいきたい。まずは海外勢と勝負をして、その先に五輪切符がついてきたらいい」と意欲を見せた。

 -大迫傑(ナイキ)、設楽悠太(ホンダ)とともに注目が集まっている。レース展開のイメージは。
 注目してもらえるのは光栄だけれど、われわれより持ちタイムがはるかに速い海外勢が、前でハイペースなレースを展開すると思う。それにどれだけついていけるのか。そこでしっかり勝負したい。

 -調子はどうか。
 練習はしっかり積めているので調子は悪くはないと思う。緊張したりもするけれど、落ち着いて今やるべきことを淡々とこなしている。

 -27位に終わった昨年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)から、どう気持ちを切り替えたか。
 MGCはいろんなことが足りなかった結果。でも、それが最後じゃないし、この先もチャンスやレースは続いていく。そういう気持ちで次に向けて切り替えて、正月のニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)はいいレースができた。

 -次のレースへの恐怖心はなかったか。
 良かったり悪かったりは今までもあってきたこと。その中の一つだと考えて、重く受け止める必要はないかなと。

 -高速レースが予想される中で、スピードへの対応については。
 (4区で区間新を出した)ニューイヤー駅伝で、ある程度ベースが上がってきている実感はあった。練習を通じても、今の状態としてはいい感覚があるので、スピードも出していけそう。

 -東京マラソンは今回で3度目。2回目の2018年に自己ベスト(2時間6分54秒)を出すなど相性も良さそう。コースやレースの印象は。
 けっこう最初からガンガンいくようなコース。誰が生き残るかという感じの高速レースが、自分も相手も力を出し切れる感じがして、印象としてはいいものがある。みんながタイムを狙う中で勝負していくというのはモチベーションが上がる。

 -新型コロナウイルスの影響で一般ランナーの参加が見送りに。
 大勢の楽しみにされていた方が出られない中で、自分たちは走らせてもらえる。それをしっかり受け止めてレースに取り組みたい。自分たちも体調を崩さないように気をつけないといけない。

 -(自身も履いている)厚底シューズの話題をどう受け止めているか。
 自分に合った靴を、結果を出すために選んでいく。シューズがどうこうと騒がれているが、あまり気にしていない。自分としては、今まで通りしっかり走っていくだけだと思っている。

 -長崎の皆さんも挑戦を楽しみにしている。メッセージを。
 日ごろから声を掛けていただいて、うれしく思っている。MGCでご心配を掛けた分、レースで元気な姿を見せて、皆さんの期待に応えられるような走りができたら。

© 株式会社長崎新聞社