クルーズ船乗客2人死亡 1人は神奈川県在住の80代男性

乗客らの下船が続くクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」=20日正午ごろ、横浜港

 横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で起きた新型コロナウイルスの集団感染を巡り、県は20日、死亡した乗客2人のうち80代の男性は神奈川県在住者と発表した。船内の検査で感染が確認され県内の医療機関に入院、20日に死亡したという。

 県や厚生労働省によると、男性は10日に発熱し、11日に肺炎の初期症状がみられ、PCR検査を実施。同日中に県内の医療機関に入院した。12日に新型コロナウイルスの陽性が判明、肺炎の症状が悪化し、20日朝に死亡が確認された。男性には気管支ぜんそくなどの基礎疾患があったという。

 クルーズ船の乗客を巡っては、87歳男性と84歳女性の日本人2人が死亡。いずれも感染が確認され、医療機関に入院していた。乗船者の死亡は初めてで、国内の死亡者は計3人となった。

 黒岩祐治知事は会見で「死者が出たことは非常に残念。心から哀悼の意を表したい」と述べた上、「14日間の隔離期間が終わり、下船が始まったばかり。感染が広がらないことを祈るような気持ちでいた。本当に残念でならない」と強調。国の感染防止対策については「結果的に徹底した感染防止ができず、(船内で)隔離している間に感染が広がった可能性も否定できない。教訓として、国や横浜市と一体で取り組みたい」と述べるにとどめた。

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