鷹リチャード「気持ち良かった」実戦1号 森ヘッドも目細める「ええ音したねぇ」

紅白戦で本塁打を放ったソフトバンクのリチャード【写真:福谷佑介】

打席でリチャードの気持ちを楽にさせた川島の一声とは…

 ソフトバンク期待の育成選手である砂川リチャード内野手が、待望の実戦第1号を放った。宮崎キャンプ第5クール最終日の20日、キャンプで3回目となる紅白戦を実施。支配下昇格を目指す大砲が驚弾を放った。

 白組の「10番・三塁」で出場したリチャード。3回に迎えた第1打席だった。昨季1軍で45試合に登板した高橋純と対戦。2ボールからの3球目の直球を捉えた。快音を残した打球は左中間スタンドの芝生で跳ねた。待望の実戦1号に「気持ち良かったです」とリチャードは笑顔を浮かべた。

 ただ、その当たりは決して“会心”ではなかったよう。「正面衝突みたいになった。スピンがかからなくて無回転で飛んでしまった。あまり飛んでなかった」。飛距離だけなら、柳田悠岐さえも上回るというリチャード。左中間最深部のスタンドに運びながらもこのコメントだ。

 この打席、先輩の一言が気持ちを楽にしてくれた。2ボールになると、ベンチの川島慶三内野手から声が飛んだ。「空振りでもいいくらいで振って行け」。この一言に「改めて、それもそうだなと思えました」。その結果生まれた大きな本塁打となった。

 5回の第2打席にも右中間への二塁打を放ち、この日は2打数2安打1本塁打とアピールに成功。この一発に森浩之ヘッドコーチも「ええ音したねぇ。いいアピールをしてくれている」と目を細める。1軍争いの激化も「大いに悩ましてくれたら。頭痛いけど」と歓迎した。

 支配下昇格を目指しアピールを続けるリチャードは「思い切ってやって失敗してもいい、と言ってもらっているので、思い切りやって悔いが残らないようにやっていきたいです」と言う。キャンプ打ち上げも迫ってくる中、ソフトバンク期待の大砲候補がアピールを続けている。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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