香取慎吾が「みんなが見ている姿をしょっちゅう見に来る」。「Be the Difference」をテーマに壁画制作

香取慎吾が青山学院大学の青山キャンパスにて行われた巨大壁画「Be the Differenceアート」の除幕式に登場した。作品は、同大学の創立145年を記念して学生たちが行う「2019年度 AOYAMA VISION アートプロジェクト」を象徴するもの。同校が2017年に発表した経営スローガン「Be the Difference」をテーマに、学生主導で発足したチームが香取の壁画を通じて、その思いを世に発信していくのが目的だという。壁画を制作したのは香取自身。今回のコラボレーションも、学生から香取へ直接オファーをすることで実現した。

「それぞれの違いをまるっとハグしたい」。今回のテーマの大まかなアウトラインを学生から持ち掛けられた際、このような言葉をもらい、「(彼らが意図することの)あまりのスケールの大きさに最初はうろたえ、どうしたらいいか分からなくなった」と言う香取。「だけど、形も考えも、国も性別も宗教も違う人間たちが、その違いを、みんなの愛でそれぞれ支え合って生きていくことができれば、それは素晴らしいことじゃないかと思ったし、自分も多くの人の愛に支えられて生きている…そんな思いを込めて描きました」と心境を明かした。

壁画は高さ約2.5m、幅約11.5mにも及び、自身が手掛けたアート作品としても「一番大きいものだと思う」と香取。東京屈指のアートスポットでもあり、人通りも多い青山という街並みの特性を考え、「(街を歩く)人々の姿が映り込んで、絵の中に入ったら面白いなと思った」という香取自らの発案で、ステンレスボードに描くことに。ボードすべてを色で埋め尽くすのではなく、あえて隙間を作ったそうだ。具体的には、パネルをそのまま借りた倉庫に持ち込み、床に敷いてアクリル絵の具やスプレーなどさまざまな画材を駆使して描いたとのこと。企画から完成までは約3カ月を要し、実際の制作日数は11日間。年末年始にかけて描き、「クリスマスは倉庫にこもっていました」と笑わせる一幕も。

人間は「十人十色というより、百人百様でいいじゃないか」と思ったことから、大小さまざまな色や形の人がちょうど100体描かれているほか、作品には香取オリジナルの黒うさぎのキャラクターや、個人的に好きだという東京タワーなどのモチーフも取り入れている。「描いたといっても、本当に小さいので、なかなか見つけられないと思いますけどね」としつつ、「東京に自分の絵が飾られるのは初めての経験なので、すごくうれしい。青山は、いろんな人が見に来られる場所だから、僕自身、みんなが見ている姿をこっそり、いや、しょっちゅう見に来ることになると思います」と感慨深げに語った。

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