タロジロの奇跡から60年、歴史に封印された"第三の生存犬"とは!? ノンフィクション『その犬の名を誰も知らない』発売!

嘉悦洋著/北村泰一監修によるノンフィクション書籍『その犬の名を誰も知らない』が2020年2月20日(木)に発売された。本書は、 1957年の第一次南極越冬隊に「犬係」として参加し、 帰国1年後の第三次越冬隊でタロ、 ジロと再会をはたした唯一の隊員である、 北村泰一氏の証言をもとに書き下ろしたノンフィクション。

■タロジロの奇跡とは

1957年から1958年にかけて、 国家プロジェクトとして実施された第一次南極観測越冬。 11名の越冬隊員とともに、 19頭のカラフト犬が、 犬ゾリをひくために海を渡り、 南極・昭和基地で1年を過ごしました。 しかし、 帰国の日、 予期せぬトラブルにより、 15頭の犬たちは鎖につながれたまま、 極寒の南極に置き去りにされてしまった。 誰もが、 犬たちの生存を絶望視しましたが、 1年後、 なんとタロ、 ジロという2匹の兄弟犬が生きて隊員と再会を果たした。 この出来事は「タロジロの奇跡」として、 『南極物語』という映画にもなり、 日本中に感動を巻き起こした。

■もう一頭、 生きていた?

タロジロと感動の再会を果たした北村氏は、 それから14年後、 驚愕の事実を知らされる。 それは、 タロジロの再会から9年後に、 昭和基地で、 一頭のカラフト犬が発見されていた、 という事実。 つまり、 タロジロとともに、 昭和基地で、 この“第三の犬”の存在を知った北村氏は、 犬の正体の解明に挑んだが、 途中、 病に倒れ、 検証を中断せざるをえなくなった。 しかし、 「どうしてもこの事実を伝えたい」という思いから、 2019年、 北村氏は、 元新聞記者の著者の協力を得て、 “第三の犬”の正体を解き明かす検証を再始動。

■二つの謎

タロジロの奇跡の生還には、 長年「謎」とされていたことがあった。 それは、 「食料もない極寒の南極で、 彼らはどうやって生き延びたのか」ということ。 しかも、 北村氏が再会した時、 タロとジロは一目見ただけでは彼らだとわからないほど、 丸々と太って大きくなっていた。 彼らはなぜ生き延びることができたのか。その謎を解くカギは、 なんと“第三の犬”の存在にあった。

はたして、 奇跡を起こした“第三の犬”の正体とは。 60年の時を超えて謎が解き明かされた時、 誇り高き犬たちの生き様に、 涙せずにはいられない感動が待っている。

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