人間の価値観問い掛ける 福祉ドキュメンタリー上映会 柳澤監督の本編集 西さん企画

柳澤監督の業績をまとめた本「そっちやない、こっちや」を手にする西さん=長崎新聞社

 障害者や難病患者の姿を描いた福祉ドキュメンタリー映画の先駆者、柳澤壽男監督(1916~99年)の代表5部作の連続上映会が長崎市で開かれている。次回は28日午後7時半から、同市田中町の障害福祉サービス生活介護事業所「すみれ舎」で、障害者と地域福祉をテーマにした「そっちやない、こっちや」(82年)を上映する。
 企画したのは同市で出版社「編集室水平線」を個人経営する西浩孝さん(38)=富山県出身=。柳澤監督の業績をまとめた本「そっちやない、こっちや」(新宿書房・4180円)の編集を担当した。本は2018年に出版され、キネマ旬報の映画本大賞2019で9位にランクイン。上映会は本を手に取ってもらうきっかけになればと企画した。
 参加無料で昨年11月スタート、毎月1回のペースで開き、これまでに3作品を上映した。次回の「そっちやない、こっちや」は、愛知県知多市で知的障害者が保護者らと共同作業所を作り上げる記録映画。
 また、3月19日は午後7時半からすみれ舎で、盛岡市の障害者福祉運動を取り上げた「風とゆききし」(1989年)を上映する。
 西さんは「人間の価値観について問い掛ける柳澤作品を多くの人に見てもらいたい」と話す。問い合わせや自主上映会の申し込みは西さん(メールアドレスedit.suiheisen@gmail.com)。

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