牛丼ツイートで大炎上の岸本周平議員に聞く 牛肉の成長ホルモン剤「国内はダメだけど輸入はOK」はおかしいと思う。

衆議院議員の岸本周平議員(国民民主党)が今月上旬、自身のTwitterで「国会内の牛丼チェーン店で牛丼を食べたが、成長ホルモンや成長促進剤を使ったアメリカンビーフの可能性が高く、健康には悪い」との投稿を行い、「営業妨害だ」などといった批判が寄せられ、投稿を削除、謝罪するという ”炎上騒動” がありました。

ただ、食品の安全は、岸本議員が「ライフワークとして取り組んできたこと」というほど熱い思いを持って調査・活動してきた分野。問題となった tweet は削除はしたものの、これで終わらせたくない、伝えずにはいられない岸本議員の思いとは? ご本人に伺いました。

「食の安全はライフワークで取り組んできたこと」と語る岸本周平議員

 

選挙ドットコム編集部(以下、選コム)「今回問題になってしまった書き込みで、削除されていますが、そのような対応をされたのはなぜでしょう?」

岸本議員「吉野家さんの牛丼は私もよく食べるし、好物なんですよ。ただ、今回の書き込みは軽率でした。特定の商品、企業に対する批判とのご指摘はまったくその通りで、率直に申し訳なかったと思っています」

選コム「今回のように『炎上』が起きると、当たり障りのないことばかり投稿するようになってしまう人も多いですが、岸本さんは削除の数日後にもう一度、成長ホルモンや防カビ農薬の問題について投稿されましたね。それはどのような思いからですか?」

岸本議員「食の安全は私の活動のテーマですから。書き込みでもしましたが、TPP特別委員会でも追求してきたし、問題意識を持ってやってきました」

※詳細は、衆議院の公式サイトで議事録を読むことができます
TPP特別委員会 議事録

岸本議員「私が問題と思っているのは、ダブルスタンダードの規制です。というのは、日本の畜産では成長ホルモンや成長促進剤は禁止、でもアメリカの牛肉の多くは成長ホルモンや促進剤を使っている。それを輸入するのはOKなのです。それはおかしくないか、と。

※農林水産省の公式サイトでは、成長ホルモン剤(肥育ホルモン剤)について「日本国内では、農林水産大臣による動物用医薬品としての承認はなく、また飼料添加物としても指定されていないため、使用されていません」「アメリカ、カナダ、オーストラリアで肥育促進剤の使用が認められており、国際基準(Codex 基準)においても、適正に使用される場合、人の健康への悪影響はないと判断されています」としています。
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/siryo/hiiku.html

岸本議員「Twitterなどで書き込みをするのは、みんなでそういうことを知って、勉強してほしいなという気持ちです」

選コム「リスクがあると言われていることについての情報を、私たち一般のひとが知ることができて、自分で選べることが大事ということですよね」

岸本議員「そうです、ほかにも遺伝子組み換え食品の問題などもあります。たとえば大豆。豆腐など大豆の形が残っている食品は、遺伝子組み換えかどうかの表示義務がありますが、醤油など形の残らない食品になると表示義務がないのです。消費者に選択肢を与えるため、少なくとも、成長ホルモンや促進剤を使っているかどうか、表示することは必要ではないでしょうか。

こうした問題を、知ってるからこそ伝えたい。みんなで知ったうえで一緒に考えていきたいですね」

選コム「Twitterの件に戻りますが、実際の周りの反応はどういったものでした?」

岸本議員「軽率だといったご意見はもちろん多くありました。ただ、私の取り組みを知ってくださっている方からは応援の声もありました。ある自民党の議員さんからも『がんばって』と言っていただきました」

選コム「今回、過ちを認めてすぐに削除し、謝罪され、伝えたい意見は改めてツイートしたのはとても良かったのではないか?と思っています。また、この件で成長ホルモンの問題に注目が集まったのは事実ですね」

岸本議員「はい、食の安全に対する姿勢は間違っているとは思わないですから。そのままにしておくと、岸本さんが大炎上したね、で終わってしまう。

せっかくみなさんに興味を持ってもらえたので、失敗をいい方向に転じたいですね。人間間違えることもありますから、めげすにがんばっていきたいと思います」

選コム「選挙ドットコムでも、議員のみなさんがどんどんご自身のお考えを表現していただける場を作っていければと思います。きょうはありがとうございました」

 

岸本周平・衆議院議員の公式サイトはこちら https://shuheikishimoto.jp/

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