まず、やってきたのは、丹波篠山市。2019年、市の名前を変更して全国的に話題となりましたが、実はネガティブな要素が市民のすぐ近くに潜んでいたんです。
職員が指すその先には何とも個性的な雪ダルマ。タイトルは「市長のお天気予報」…これはいったい？
（丹波篠山市 酒井隆明市長）それは私の気持ちを表しているんです。
こう話すのは、丹波篠山市の酒井市長。
市は毎日ホームページで、市長のごきげんを毎日イラストにして公開しているんです。実際の天気とはまったく関係ありません。
（丹波篠山市企画総務部 橋元工さん）
職員の中でも、市長の機嫌えか悪いか分かったらええなあという軽い話の中で。
始めた理由は、「市長が怖そう」だから。
（酒井市長）
少々きついことも言うたことがありますから、それが大きく伝わったこともあって「市長は毎日怒っている」と思う人が今でもあるんです。
そうではないんですよ。温厚なんですよ。優しいということも伝えられたらと。
市長はこう言いますが、以前、職員に怒った様子がかなり怖かったそうで…。
そんな一般的にはネガティブなイメージを否定せずにかわいらしいイラストにして公開すると、市民の間でも評判に。ちなみに、これまで一番多いのは「晴れ」。「かみなり」は2回落ちているということです。
つづいては姫路から。
（姫路セントラルパーク 福重祥一園長）
「日本一、心の距離が遠いサファリパーク」へようこそ。
40種類のアトラクションに、190種1200頭もの動物たち。「ひーめせーんゴーゴゴー♪」でおなじみ姫路セントラルパークです。
園長が言う「心の距離」とは？
「県外からは、実際よりも遠いと思われている」こと。ネガティブな一面を押し出したCMが話題になりました。
アンケートでは、大阪から姫路センまでのかかる時間について実際は55分で着くのに平均解答は「3時間」。この差を「心の距離」と自虐的に表現しました。
CMにみずから出演する園長はとまどいがあったそうで。
（福重園長）
「これはできない」と注文をつけて、いつまでも嫌がっていても終わらないので。表情とかも作ってくれと言われたらやりましたし、そのほうがはやく終わるじゃないですか。
姫センは、2019年春のCMリニューアルに合わせ、インターネットの特別サイトも設けました。その中には、CMと同じく、大阪から姫センまでの時間を問う「クイズ」が。
実際より長い時間を入れると…。
「えっとぉ、大阪から3時間あれば鳥取砂丘に行けますよ。
誰が鳥取セントラルパークじゃい！」
短い時間を入れると…。
「そんなお世辞いらない！
姫路の遠さを舐めないでください。」
正解するまで、ひたすらネガティブな答えが返ってきます。
こうした潔さが評価されたのか、来園者は1年間でおよそ2割増えました。
「『大阪から55分』というやつ、あれを観ておもしろいなと思って。
2時間ぐらいかかるのかなと思ってたんですけど」
「CMで。園長が一人のやつ」
（来園者たち）
（福重園長）
サファリパークは車で回れて、歩いても楽しめる、動物を間近に見れるところですので、みなさん来てください。
大阪より車で55分で来れますのでよろしくお願いいたします。
続いてやってきたのは、香美町にある「あゆの里矢田川」。特産品鮎の定食が自慢の道の駅です。ここでいま、話題を集めているのがご当地萌えキャラです。
手には焼きあゆ。髪は、清流のように透き通るブルー。その名も「矢田川あゆか」！どう見てもポジティブなルックスですが、胸元には気になる文字が。
－「MT5」とはどういう意味ですか？
（道の駅あゆの里矢田川 阿瀬大典さん）
実はですね、「マジでつぶれる5日前」です。
「マジでつぶれる5日前」。略して「MT5」です！
（阿瀬さん）
通帳受け持ったりとかいろんな引継ぎがあるんですけど、これようこんな状態でおったなあ、今すぐにでもつぶれてもおかしくないと思ったんで、それを外に宣伝したいなということで。
駅長の阿瀬さんが就任した3年前、道の駅に残された資金はわずか10万円しかなかったそう。そこで、アニメ好きの発想で当時のネガティブな気持ちを、この萌え萌えな看板娘に表現しました。
－これ、あゆかちゃんのクッキーですか
（阿瀬さん）「あゆかのプリンとクッキー」といいます。
奮発して結構な数で…言っていいのかな、ここだけの話15万円だして作ってもらいました。
－15万円というと…
うちにとってはもうこんな金額ですね。こ～んな金額。
破格の金額をつぎ込んだ萌えキャラ作戦は、SNS上で話題に。全国からあゆかファンが駆けつけ、売り上げは3年間で2倍近くになりました。
（阿瀬さん）
MT5、マジでつぶれる5日前。いますぐ来てください。すぐ来てください！待ってます！
－今はMT5ではない？
5が10ぐらいになったんとちがうかな。
