【MLB】マイナーの過酷環境を改善へ ジャイアンツ1Aは住居が無料、カブス1Aでは約75%増額

マイナーの過酷環境を改善へ、ジャイアンツとカブスが今年から給与引き上げ【写真:Getty Images】

ジャイアンツのキャプラー監督も引き上げを支持「効果的に支援したい」

 度々、その過酷な現状が話題にあがるマイナーリーグ。MLBが2021年からマイナーリーガーの最低賃金を引き上げるよう全30球団に通達を行ったことをAP通信が伝えたが、ジャイアンツ、カブスは今年から給与引き上げを行うと、米メディアが伝えている。

 MLB公式サイトはジャイアンツのファーハン・ザイディ編成本部長が今年からマイナーリーガーの給与を引き上げる予定であることを明言し、「組織全体としての決断です」と話したと伝えている。

 3A選手は週給502ドル(約5万6000円)から750ドル(約8万3000円)、2Aは週給350ドル(約3万9000円)から600ドル(約6万7000円)に引き上げられ、ともに住居手当として月500ドル(約5万6000円)が与えられる。また、1Aでは週給290ドル(約3万2000円)から500ドル(約5万6000円)に引き上げられ、住居が無料で提供されるようになるという。

 ゲーブ・キャプラー監督も「私は常にマイナーリーグの選手たちをもっと効果的に支援したいと思っていました」と今回の給与引き上げには納得した様子を示していた。

カブスでは平均的な選手の給与が約50%増額することが見込まれている

 さらに、カブスもマイナーリーガーの最低賃金を今年から50%以上引き上げる予定であると地元紙「シカゴトリビューン」が伝えている。

 記事では「カブスのトム・リケッツ会長が率先し、給与引き上げを許可した」、「マイナーリーガーの最低賃金を今年50%以上引き上げる」と関係者が明かしている。カブスでは選手のレベルと年数により、週給112~295ドル(約1万2000円~約3万3000円)の引き上げになることが予想される。

 これにより、平均的なマイナーリーガーは従来の給料の約50%増に当たる週給200ドル(約2万2000円)の引き上げとなる。また、1A以下では約75%に当たる増額になると見込まれている。

 マイナーの選手たちはシーズン中のみに給与が発生し、オフやスプリングトレーニングには発生しない。そのためオフには野球と関係の無いアルバイトなどで生計を立てる選手がいるのが現状だ。全体のレベル底上げのためにも給与が上がり、少しでも野球へより注力できる状況になることに期待したい。(Full-Count編集部)

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