台風19号の浸水被害で「Twitter民の力を貸して」 リンゴ農家のSOSに反響、投稿主の思いを聞いた

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東日本に大きな被害をもたらした台風19号。発生から4か月が経ったが、その影響はまだ続いている。今ツイッターで注目を集めているのは、ある農家が投稿したSOSだ。

甘くて美味しそう(画像は北澤一樹(@kitaichikajyuen)さんが2020年2月18日に投稿)

甘くて美味しそう(画像は北澤一樹(@kitaichikajyuen)さんが2020年2月18日に投稿)

投稿主は、長野市赤沼にある「キタイチ果樹園」の北澤一樹さん。2020年2月18日、「Twitter民の力を貸してください」と切り出した。

「台風19号の影響で長野県の千曲川の堤防が決壊。両親が営むりんご園は決壊地点から約1キロメートル。ほとんどは出荷できなくなったが、無事だった畑のりんごを販売中。旬が過ぎ実も柔らかくなり、販売は2月末までを予定。RTといいねをお願いします」

写真にある美味しそうなりんごは、実は浸水被害から免れた畑から収穫したものだ。実家のりんごを販売しようと、ツイッターで発信する息子の一樹さん。投稿には、

「この林檎 購入したいです」「長野市民です。私たちも応援したいと思います」「SNSで販売とは画期的で良い取り組みだと思います」

といった反応が寄せられている。

SNSを通じた縁に感謝

台風19号の影響で約2.8ヘクタールのりんご畑のうち、3分の2以上が浸水してしまったキタイチ果樹園。一樹さんは20日、Jタウンネットの取材に、木の枝になっていたりんごは泥まみれになってしまったと答える。

普段は東京都で会社経営をしている一樹さんは、両親のりんご園を復旧させるため仕事を休職。来季以降にりんごが収穫できるように、木々から泥を落とす作業などを行ったと話す。また、畑から泥をかきだす必要があり、未だ半分以上の畑は手つかずとも。

リンゴ園の復旧作業を行う以外に、「自分にできることはないか」と思った一樹さんは、2020年1月初旬頃からツイッターやフェイスブックで、浸水を免れたリンゴが収穫できたことや、被害・被災情報を発信し始めたと話す。

SNSを通じて初めてりんご園の状況を知った人も多いという。

「自分の友達やネットを通じてはじめて知っていただいた方に購入していただいています。購入してくれた方は、SNSで 『#キタイチ果樹園』をつけて投稿してくれたり、リピーターになっていただいています」

復旧作業は先の見えないことも多いが、りんごを購入した客から励まされることに感謝していると話した。

りんごは2月末まで販売を予定しているとのことだが、20日17時20分頃、「ご報告」として、注文の受付休止の旨をツイッターなどに投稿した。りんごの在庫が間もなく終了するという。購入者や自身の投稿をシェア・拡散してくれたユーザーに対して、

「このご縁に心から感謝しております。今季限りやりんごのみのお付き合いだけでなく、繋がりをもっていきたいと思っております」

と感謝の言葉を述べた。一樹さんはSNSを通じてかけがえのないコミュニティを得たのかもしれない。