軍艦島への観光客の上陸 5カ月ぶり再開

上陸しガイドの説明を受ける観光客=長崎市、端島

 昨年9月の台風17号による被害で観光客の上陸が禁止されていた長崎市の端島(軍艦島)で21日、約5カ月ぶりに立ち入りが再開された。
 軍艦島は世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つ。台風17号の影響で係船設備や見学通路などが損壊し、昨年9月23日から過去最長の151日間にわたり観光客の上陸が禁止されていた。
 上陸が再開された21日午前、軍艦島上陸クルーズを運航する会社の一つ「やまさ海運」の始発便には約60人が乗船した。軍艦島に上陸した観光客らはガイドの説明を聞き、島内に残る炭鉱施設の跡やアパートに、スマートフォンやカメラを向けて撮影していた。
 夫婦で訪れた栃木県下野市の太田康雄さん(60)は「運よく上陸できた。長崎旅行の一番の目当ては軍艦島。上陸できるとできないとでは大違い」と満足げ。やまさ海運の担当者は「ようやく上陸再開できてほっとしている。収入にはかなり大きなダメージがあった。市には台風被害を最小限にとどめる対策を求めたい」と話した。
 市は今回の復旧工事で、見学施設に取り外し可能な手すりや柵を導入。台風接近時に外し、通過後に再び設置するなどの対策を取り、復旧工事の時間を短縮したい考え。

© 株式会社長崎新聞社