技能実習生にサッカー枠 小松・ライオンパワー、4月に3人

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 電線加工機など製造のライオンパワー(小松市月津町)は4月、同社初の外国人技能実習生として、サッカー経験のあるベトナム人を採用する。現地のサッカー人気の高まりを背景に、社会人クラブチームを運営する同社が異国の地で働く技能実習生の不安を和らげようと「サッカー枠」を考案した。クラブ活動を通じてメンバーと交流を深めることで語学の習得や失踪防止につなげ、人材定着を図る。

 県によると、特定のスポーツ経験を重視して技能実習生の受け入れを決める例は「聞いたことがない」(労働企画課)という。

 同社は将来的な人材不足や海外進出に備え、4月から技能実習生としてベトナム人3人を採用する。3人は技術を学びながらプリント基板の組み立て作業などを担当する。

 技能実習生は地域や会社になじめないために技術の習得が遅れたり失踪したりするケースがある。言葉の壁やコミュニケーション不足が課題とみた高瀬敬士朗社長(49)は、自社で運営し、社員も参加する社会人サッカークラブ「ライオンパワー小松」の活用を思い付いた。

 高瀬社長によると、近年ベトナムではサッカー人気が高く、競技人口も増えているという。サッカー経験のあるベトナム人を採用し、クラブ活動に参加してもらうことで、周囲に溶け込みやすい環境を整える。

 高瀬社長は、サッカーJリーグの湘南ベルマーレでヘッドコーチを務めた経験がある。現在は業務の合間を縫って、自身が監督を務める同クラブや小中学生向けサッカースクールで指導している。「会社でもクラブでも日本人社員らと切(せっ)磋(さ)琢磨(たくま)することで互いに高め合える」と話し、技能実習生の来訪を心待ちにした。

 石川労働局によると、昨年10月末現在、県内の技能実習生は5666人(前年同期比873人増)で、うちベトナム人は2936人。小松公共職業安定所管内の技能実習生は1159人となっている。