特別賞、異例の5作品に「レベル高く」 岡本太郎現代芸術賞 美術館に23点展示 川崎

岡本太郎賞を受賞した野々上聡人さんの作品「ラブレター」=川崎市多摩区の市岡本太郎美術館

 岡本太郎の遺志を継ぎ、次代のアーティストを顕彰する「第23回岡本太郎現代芸術賞」(TARO賞)の入選作品23作が決まった。入選したのはいずれも現代アート作品で、14日から川崎市岡本太郎美術館(多摩区)で展示も始まった。4月12日まで。

 今回は452点の応募があり、最優秀の岡本太郎賞に選ばれたのは野々上聡人さんの「ラブレター」。杉やヒノキなどを用いた立体造形で、木製の人面など自身が「良いと思ったもの」を選び積み上げた作品だ。

 一方、太郎の生涯のパートナーの名を冠した岡本敏子賞には根本裕子さんの「野良犬」が選出された。このほか、「風景」「太陽のふね」「僕のDNAが知っている」などと名付けられた創造性あふれる作品が並べられている。

 13日に開かれた授賞式で野々上さんは「美術教育を受けていない自分が受賞した。好奇心で創作活動をしている全国の人たちの励みになれば」と語った。審査員を務めたワタリウム美術館キュレーターの和多利浩一さんは「今年はレベルが高く、特別賞が異例の5作品となった」と講評した。

 2月24日を除く月曜日と同25日は休館。観覧料は一般700円。問い合わせは、同館電話044(900)9898。

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