県、政府にマスクの安定供給を要請 神奈川の医療機関で不足

神奈川県庁

 横浜港に停泊中のクルーズ船の新型コロナウイルス集団感染による患者受け入れなどに伴い神奈川県内の医療機関でマスクが不足しているとして、県は21日、政府に医療用マスクの安定供給を要請した。県内では42医療機関に183人(20日現在)の患者を受け入れており、中には約1週間分の在庫しか残っていないケースもあるという。

 県によると、医師や看護師はウイルスを通しにくい医療用のN95マスクを着用しているが、中国の工場が生産停止していることなどから供給が停滞。県は「このままでは院内感染防止策を講じることができなくなる」として、各都道府県などからマスクを提供してもらうなど、国が支援策を講じるよう要請した。

 このほか、入院中の感染者らに富士フイルムが開発した抗インフルエンザ薬「アビガン(一般名ファビピラビル)」の投与を認めることも要望した。同薬は新型肺炎(COVID19)の臨床試験未実施だが、中国では同成分の医薬品で効果が見られているという。

 黒岩祐治知事は緊急会見で「緊急非常事態と認識している。人道的見地から他にやることがないなら使ってみたらどうか」と述べた。

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