J開幕 神奈川注目の五輪世代 川崎・MF田中碧

MF田中碧

 サッカーの明治安田生命J1リーグは21日に開幕し、神奈川からは13年ぶりに昇格した横浜FCを加えた4クラブが熱戦を展開する。フロンターレは小林、家長らのベテラン勢に東京五輪世代の三笘、旗手ら有望な若手を加え、攻守に「超アグレッシブ」なスタイルで覇権奪回を目指す。タイトル争いはもちろん、今夏に迫った東京五輪の代表候補たちの活躍も見逃せない。

◆「決定的な仕事する力付けたい」

 リーグ屈指の選手層を誇る川崎で中盤のレギュラー定着を狙うのが、育成組織出身のMF田中碧。昨季はけがで離脱した大島や守田らに代わってリーグ戦24試合に出場し、ベストヤングプレーヤー賞も受賞した伸び盛りの21歳だ。

 その名を世界にとどろかせたのは、U-22(22歳以下)日本代表として参加した昨年10月のブラジル遠征。サッカー王国相手に豪快なミドルシュートを2本決めて五輪代表候補に名乗りを上げ、同12月にはA代表デビューも果たした。

 そんな大活躍の一年を、田中は「自分が思っていた以上に、試合に出させてもらえた。そこでいろんな気付きや自信も得られた」と胸を張る。

 プロ4年目となる今季の目標は「リーグタイトル奪還」。全ての試合が五輪のメンバー選考につながるシーズンだが、「変に意識することはない。チームで試合に出続けて、どれだけ成長できるかにかかっている」とあくまで冷静だ。

 ホームで迎える鳥栖との開幕戦は万全な状態で臨めそうだ。「ゲームをつくって決定的な仕事をするには、まだ力が足りない。今シーズンで身に付けたい」。さらなる進化の先に夢の舞台が待っている。

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